言わずと知れた現代ジャズ・ヴォーカル表現の第一人者(1956年生まれ)、約1年半ぶり(2010年3月23日、他)の公演を見て出てきて感想は、わー半端ねえ。

 ピアノ、ギター、ベース、ドラムを擁してのパフォーマンスはもう自由自在。最初、アタマ2曲はバンドだけで短目に4ビートのインストをやったときにゃ少しイヤな気持ちになった(前奏1曲はいいけど、2セット分割のショウにおいて2曲はなあ……)。が、その後に出てきたリーヴスは、颯爽と私の歌を1時間超えで堂々披露してくれたっ。もう、1曲目から延々スキャットかましまくり。うっひょ〜おとなるしかないじゃないか。もう、ジャズ歌手としての矜持があふれまくり、その何曲か後にやった「ストーミー・マンデイ」なんてもうあまりにあっぱれなメロディ取り/崩しで曲名が歌詞にでてこないとあの有名曲だとは気付きやしねえ(歌詞を熟知している人は別だろうけど)。もう、ジャズ・ヴォーカルならではのうれしい飛躍や聞き手への触発が満載。そして、いつのまにか曲はタイトな非4ビートものになり、ベーシストはウッド・ベースから電気ベースにもちかえている。最後の方は巧みに満員のお客さんとのコール&レスポンスも見事に成立させる。あーなんと胸をはり、示唆に富んだ米国黒人音楽であることよ! やー新鮮、やー感銘。一流はやはり、素晴らしすぎます。。。。

 なお、彼女は08年以降新作を出していないが、別に長年契約するブルーノートと切れたわけではなく、来年には新作を出すようだ。日々、ライヴ・パフォーマンスにおいては変化し、きちっとテーマや志向が定まったときにガツっとアルバムを制作する……そういうことなのだと、思う。恵まれた、でも本来あるべきスタンスだと思う。南青山・ブルーノート東京、セカンド・ショウ。

<今日の、ザ・アンタッチャブルズ>
 ネットでオール・ミュージック・ガイドをひくと、なんと。“アルバム・オブ・ザ・デイ”として、ザ・アンタッチャブルズの85年作デビュー作『WildChild』(85年)が堂々出てきて、びっくり。かなり、喜ぶ。フィッシュボーン(2011年8月8日、他)と同じ時期に同じLAから飛び出した雑食混合ブラック・バンド。フィッシュボーンほどではないものの、もう応援していたっけ。その日本盤はビクター音楽産業からでたんだよなあ。

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