取材した印象が良かったので、もう一度テテ(2011年10月10日、他)公演の前座で出てきた彼女を30分ばかし見る。静謐さとパッション姓豊かな部分を自在に行き来していると、再確認。後者の行き方を求めるさい、彼女のギターを弾く左手のストロークがまるでフラメンコのギター奏者のそれみたいだと気付く。それを指摘すると、本人も肯定した。89年生まれ、まだまだ開けられる扉は目茶あるんだろうな。ステージではピッタリしたパンツを着用したりする彼女だが、オフではミニ・スカートを履いていたりする。白い帽子をトレイドマークのように被っているが、同じのを複数もっているそう。彼女は“Too Hot to Touch”と観客に連呼させる曲があるのだが、終演後、彼女に触るふりをして“Too Hot,”とやると、ちょい受けた。

<一昨日の、キリエさん>
 取材をすると、アルバムを聞いて推測できる以上にアーティスティックな人物。その年齢以上に、しっかりしている。ニール・ヤングやジョニ・ミッチェルらを、カナダが生んでいるのはやはり意識するという。歌詞にはこだわりを持っていて、曲はすべて歌詞が最初にできるそうだ。ながら、音楽的にも得難い広がりや閃きを彼女が抱えているのは間違いない。ときに、ジャズ的因子を埋め込んだりもするが、ジャズのライヴが享受しやすい環境にあるので、とくにパリに住むようになってからはジャズに触れているとか。現在、彼女はソルボンヌ大学に通っていて、フランスの中世の女性シンガー・ソングライターの研究をしている。2年前にも彼女はその研究のため、南仏に住んだことがあった。彼女のアルバムには本人とともに2人のクリストマンソン姓の名前が出ているが、それは作家をしている父親と画家の継母の名前だそう。当初作った2作品は自宅スタジオで録られている。

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