マリーナ・ショウ(2003年6月11日)は<R&Bとジャズ>とか<野卑さと洗練>というような極に片足づつ置き、腰をぐいぐいグラインドさせているような42年生まれのアフリカ系シンガーだ。そんな彼女をアイデンティファイする有名作が、当時新進であったベナード・アイグナーがプロデュースした『フー・イズ・ディス・ビッチ、エニウェイ?』(ブルーノート、74年)。同作の再評価気運の高さからか、彼女はオリジナル作に参加していた著名奏者を集めたライヴをやっていて、ここのところその設定で毎年来日している。六本木・ビルボードライブ東京、セカンド・ショウ。
バンドの構成員は、ピアノ/電気ピアノのラリー・ナッシュ、ギターのデイヴィッド・T・ウォーカー(2010年12月11日、他)、ベースのチャック・レイニー(え、ぼくが生で彼を見るのは初めて? まさか。でも、記憶にない。奏者紹介のさい、拍手が一番大きかったのが彼だったかも)、ハーヴィ・メイソン(2010年7月9日、他)という面々。かつてのアルバムにはビル・メイズ(2011年3月26日。名前は出していないが、フィル・ウッズ・カルテットでピアノを弾いていたのは彼)やデレク&ザ・ドミノズやトラフィックに入ったこともあったドラマーのジム・ゴードンをはじめ、他にもプレイヤーは参加していたが、その奏者選択はなんとなく納得ですね。ロスのユナイテッド・アーティスツ傘下に置かれ、ジョージ・バトラーが上に立った体制での当時のブルーノートにおいて、T・ウォーカーやレイニーやメイソンは殆どハウス・ミュージシャンという感じであった。
というわけで、披露した半数強の曲は『フー・イズ・ディス・ビッチ、エニウェイ?』に入っていた曲。同作は女性のサバけたしたたかさを出すような他愛ない男女の会話「ストリート・ウォーキング・ウーマン」で幕を開けるが、2曲目でショウはメイソンと共にそれを臨機応変に再現。そのとき、ナッシュはBGM風にピアノを弾いたが、その曲はリヴァーサイド・レーベルからリーダー作を出していたヴァイブラフォン奏者のジョニー・リトルの「ソウル・タイム」。リトルともどもそんなに有名な曲ではないと思うが、93年に組んだソウル・ジャズのコンピ盤シリーズ<ソウル・ソサエティ>の『スウィート・アン・サワー』(ビクター)でこの曲をぼくは選んだことがあった……。
歌も演奏も手慣れたもん、無理なく、いい感じ。T-ウォーカーはソロ・パートで大張り切り。素晴らしいっ。そして、マリーナ・ショウの歌い方はいい意味で我が道を行く気分屋さんぽいノリが出ていて、きっと歌詞もノリで歌い飛ばしているんだなろうなーと思わずにはいられず。だが、そういう<いい加減>さも米国黒人音楽の美徳なのだ。と、彼女の存在感ある歌はそう実感させますね。そういえば、マリーナ・ショウは歌っていてキブンで別の曲をちょい歌ったりもしたが、そういう“引用”は大昔からジャズ器楽奏者は頻繁にやっていたこと。ヒップポップのサンプリングはずっと引き継がれてきたアフリカン・アメリカン芸であるのだと鮮やかに示唆する部分もあって、いろんな部分で満たされた気持ちになった。
<今日の車内広告>
帰りの地下鉄、車内広告を見ていたら、セゾン保険の自動車保険の広告がドアの窓にペタリと張られている。昔からあるのかもしれないが、西武も乗り出しているのか。ソニーが保険業に参入したときにも驚いたが、ホケン業ってそんなにもうかるの? 安そうだった(念入りに調べてないので、そういう書き方になる)ので、自動車保険はソニー損保のものに入っているワタシではありますが。
バンドの構成員は、ピアノ/電気ピアノのラリー・ナッシュ、ギターのデイヴィッド・T・ウォーカー(2010年12月11日、他)、ベースのチャック・レイニー(え、ぼくが生で彼を見るのは初めて? まさか。でも、記憶にない。奏者紹介のさい、拍手が一番大きかったのが彼だったかも)、ハーヴィ・メイソン(2010年7月9日、他)という面々。かつてのアルバムにはビル・メイズ(2011年3月26日。名前は出していないが、フィル・ウッズ・カルテットでピアノを弾いていたのは彼)やデレク&ザ・ドミノズやトラフィックに入ったこともあったドラマーのジム・ゴードンをはじめ、他にもプレイヤーは参加していたが、その奏者選択はなんとなく納得ですね。ロスのユナイテッド・アーティスツ傘下に置かれ、ジョージ・バトラーが上に立った体制での当時のブルーノートにおいて、T・ウォーカーやレイニーやメイソンは殆どハウス・ミュージシャンという感じであった。
というわけで、披露した半数強の曲は『フー・イズ・ディス・ビッチ、エニウェイ?』に入っていた曲。同作は女性のサバけたしたたかさを出すような他愛ない男女の会話「ストリート・ウォーキング・ウーマン」で幕を開けるが、2曲目でショウはメイソンと共にそれを臨機応変に再現。そのとき、ナッシュはBGM風にピアノを弾いたが、その曲はリヴァーサイド・レーベルからリーダー作を出していたヴァイブラフォン奏者のジョニー・リトルの「ソウル・タイム」。リトルともどもそんなに有名な曲ではないと思うが、93年に組んだソウル・ジャズのコンピ盤シリーズ<ソウル・ソサエティ>の『スウィート・アン・サワー』(ビクター)でこの曲をぼくは選んだことがあった……。
歌も演奏も手慣れたもん、無理なく、いい感じ。T-ウォーカーはソロ・パートで大張り切り。素晴らしいっ。そして、マリーナ・ショウの歌い方はいい意味で我が道を行く気分屋さんぽいノリが出ていて、きっと歌詞もノリで歌い飛ばしているんだなろうなーと思わずにはいられず。だが、そういう<いい加減>さも米国黒人音楽の美徳なのだ。と、彼女の存在感ある歌はそう実感させますね。そういえば、マリーナ・ショウは歌っていてキブンで別の曲をちょい歌ったりもしたが、そういう“引用”は大昔からジャズ器楽奏者は頻繁にやっていたこと。ヒップポップのサンプリングはずっと引き継がれてきたアフリカン・アメリカン芸であるのだと鮮やかに示唆する部分もあって、いろんな部分で満たされた気持ちになった。
<今日の車内広告>
帰りの地下鉄、車内広告を見ていたら、セゾン保険の自動車保険の広告がドアの窓にペタリと張られている。昔からあるのかもしれないが、西武も乗り出しているのか。ソニーが保険業に参入したときにも驚いたが、ホケン業ってそんなにもうかるの? 安そうだった(念入りに調べてないので、そういう書き方になる)ので、自動車保険はソニー損保のものに入っているワタシではありますが。
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