→で、まあ楽しくよっぱらい家に帰り、シャワーも浴びずに(冬でも、基本ぼくはシャワー派なんです)、眠りこける。6時間後に目が覚めた(もう少し寝ていたかったが)ら、やはり風邪ぽくはあるが、肩はそんなにダルくないので熱はけっこう下がったよう。うぬ、風邪をひいたときは静養とかせずに笑顔で酒をかっくらうというのは、アリかもしれぬ。

 で、昨日の遅れを取り戻すのだと猛烈な勢いでキー・ボードに向かったあと、丸の内・コットンクラブへ。ファースト・ショウ。ヒップホップ時代のジャズ・マン像を謳歌するロバート・グラスパー(2009 年4月13日、他)のキャラ立ちサイド・マンをそろえたカルテット(2009年12月19日)のパフォーマンスは不動のメンバーにて。ただし、今回は現代R&B界ピカ一のセルフ・コンテインド・グループと言っても誇張にはならないだろうミント・コンディション(2009年7月10日、他)のフロント・マンであるストークリーを伴っているのがポイント。その興味深い組み合わせは向こうでもやっているんだろうか。ともに、帰国しての年末は別々のギグの予定が入っているよう。

 デリック・ホッジとクリス・デイヴのリズム隊はやっぱりおもしろい。ヴォコーダー/アルト・サックスのケイシー・ベンジャミンは相変わらずフィーチャーされる。グラスパーがソロを取る長さはより減じていて、リーダーとしてコードを押えながら全体の行き方を掌握するという傾向はより強まっているか。そして、中盤を折り返すと、ストークリーが出てきて、約30分中央に立って、歌う。結構、スキャットかましまくり。太い声で音程も正確、この前のブライアン・マクナイト(2010年11月24日)と比べても、ストークリーのほうがジャズ・ビッグ・バンドと合いそうとの思いが頭をかすめる。ステージ横には彼用のパーカッション類が置かれていたが、ストークリーはそちらを触らず延々、気分で流す歌に専念、いや、さすが彼、実力者でした。会場には、ソイル(2009年6月12日、他)のメンバーもいたな。

 続いて、南青山・月見ル君想フで、60年代後期に世に出た英国人シンガー・ソングライターであるブリジット・セイント・ジョンを見る。会場入りすると、ちょうど彼女のソロによるパフォーマンスが始まるところ。アコースティック・ギターを手にステージ中央にすくっと立ち、アルペジオでギターを爪弾きながら悠々と歌を紡いで行く。その様だけで、自分の進べき道を等身大で歩んでいる人という印象を受け手に与えるか。同様にカルト的評価を受けるヴァシュティ・バニヤン(2010年3月15日)とも持ち味は重なるだろうが、彼女のほうが(一人で事を運んでいる事もあり)毅然とした感じは強い。MCによると、ディヴェンドラ・バンハート(2010年2月4日。他)の曲もやったのかな。途中で、ボウで奏でる欧州的な民俗楽器を弾く日本人奏者が音をつけたりもしたが、きっちりと一人で場の空気を整え直せる人、なり。

 途中退座して、渋谷・Bar Issheeへ。百戦錬磨リード奏者の田中邦和(2010年7月1日、他)とスーパー・ジャンキー・モンキーのかわいしのぶ(2007年7月22日、他)によるデュオ・パフォーマンスの投げ銭ライヴの日。まだやっているかなーと思ったら、始まるのが遅れたため2部が始まっばかりで、1時間ぐらいは見れた。基本、河合のすっとぼけたエレクトリック・ベースの弾き語りに田中が多彩なあいの手を入れるという感じか。他愛のない話のかけあいも全体の5分の1(で、その際に、次にやる曲も相談する。その提案は田中主導で行われる)。お客も一緒にやる、しりとりの歌は楽しかった。この店に来ると、興味深い音をかけられたり、DVDを見せらたりして、帰りがたくなる。が、時節柄、ココロを鬼にして、なんとか電車で帰る。

<追記>ロバート・グラスパーのバンド・サウンドを聞いていて、ぼくはスティーヴ・カーン(ギター)のアイウィットネスのことを思い出したりも。強靭かつしなやかなビートのもとぐいぐいと突き進んでいく様が重なるからか。アイウィットネスのドラマーはスティーヴ・ジョーダン(2010年10月26日、他)だった。書くの忘れたので、書き足しておく。なお、来年4月にアイウィットネスの流れを汲むスティーヴ・カーンの新作が出る見込みのようだ。

コメント