越境と創意をすばらしく美的感覚に満ちた形で聞かせるピアニストの橋本一子(2009年11年19日、他)の、ストリング・カルテットと重ならんとした公演。弦担当は金原千恵子ストリング・カルテット、そこにこれまた越境し漂える驚異のシンガーである橋本眞由己が重なったり、橋本と現在はUb-X(2006年10月25日)という名前で活動している縦ベースの井野信義(2005年8月19日)とドラムの藤本敦夫(少し前に『どこにもないランド』という、マルチ奏者である美点が生きた歌モノ主体アルバムを出した。多彩な興味と音楽経験が活かされた、笑顔の“なんちゃって”が弾む小品が20曲以上入った玩具箱的作品。解き放たれたしなやかなさやお茶目さが横溢)が入ったり。20年以上前に書いたスコアを元にするものもあるようだが、楽譜を整えたり、リハやったり大変だろうな。と、少し思う反面、実演には歓びや輝きが満ちているので、心地よい刺激を受けつつ、なんのストレスもなく、うっとりと聞いちゃうわけだが。しかし、きっちり自分の考える研ぎすまされた(と言いつつ、ストリングを介する表現は十分にメロウで浸り易くもある)大人の音楽を毅然と押し出そうとする姿勢には感服至極……。
渋谷・Jzブラット。バー・カウンターの後ろにステージの模様が映されるのだが、橋本の手元もちょくちょく映されていて、興味深い。大昔、モーション・ブルーの菊地雅章公演でも終始手元がステージ背景に映し出されて膝を打った事はあったが。なぜ、ステージの絵が映し出せる会場はもっと積極的に客席側から見えにくい奏者の手元を見せてあげようとしないのか。音楽によってはそれが味わいを減らす場合もあるかもしれないが(奏者によっては映されるのを嫌がる人もいるかもしれないが、基本そういう担い手はライヴ・アーティストとしては淘汰されるべき)、大方はその方がその場で送り出される音楽をリアルに感じ取れるはず。旧来の送り方をのうのうと踏襲せず、もっと音楽ヴェニューは実演提供の改新を模索してもいいのではないか。
渋谷・Jzブラット。バー・カウンターの後ろにステージの模様が映されるのだが、橋本の手元もちょくちょく映されていて、興味深い。大昔、モーション・ブルーの菊地雅章公演でも終始手元がステージ背景に映し出されて膝を打った事はあったが。なぜ、ステージの絵が映し出せる会場はもっと積極的に客席側から見えにくい奏者の手元を見せてあげようとしないのか。音楽によってはそれが味わいを減らす場合もあるかもしれないが(奏者によっては映されるのを嫌がる人もいるかもしれないが、基本そういう担い手はライヴ・アーティストとしては淘汰されるべき)、大方はその方がその場で送り出される音楽をリアルに感じ取れるはず。旧来の送り方をのうのうと踏襲せず、もっと音楽ヴェニューは実演提供の改新を模索してもいいのではないか。
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