自分でもびっくり。もともとサッカー好きとはいえ、今回の南アのW杯については日本の代表チームに心から感情移入できない部分もあったりしてどこか醒めていたのだが、始まったとたんこんなにTV試合観戦に燃えるとは思わなかった。まあ、先に書いたように、初日の偶然の成り行きで観戦三昧のドアがガバっと開かれたという感じか。そんなわけなんで、ここのところ不規則な生活パターンを送ちがちだったのだが、よけいに歪むゥ。まあ、それが出来るうちが花。やっちゃえばァと、俺の本能が言っている。昨日も友達んちで、23時からのコートジボアールvs.ポルトガル戦を見ていたら盛り上がっちゃって、早朝3時半からのブラジルの初戦(対北朝鮮というのも興味深くもあり)もがぜん見たくなっちゃう。が、地上波放映予定はなく、どこかで見れないものかと馴染みの店に見られまっかと電話すると、そこでは見られないものの、ちょうどその店に来ている知人がこの後に別のお店に行って観戦する手はずになっているという。やりい、それに便乗。そんなん、ばっか。成り行きが一番……。だらだら行けば海路の日和あり、ぢゃ。
とかなんとか、仕事の合間にサッカー放映を楽しむでなく、TV観戦&関連もろもろの合間に仕事をすますという感じにもなっちゃっている(締め切りにはちゃんと原稿を出すぼくが、一件泣きの電話を事前に入れちゃったりもした)のだが、なんかライヴに行くのも久しぶりという感じ(←でもないか)で、この日はライヴを2つハシゴ。偶然、LAスタジオ勢とNYスタジオ勢がそれぞれ集った出し物だ。
まずは、丸の内・コットンクラブ。アリサ・フランクリン、ボブ・ディラン、リッキー・リー・ジョーンズ、デイヴィッド・サンボーン他様々な録音セッションに関与するとともに、自己バンドのフル・ムーンやラーセン・フェイトン・バンドでも根強い支持者を持つ、西海岸の大物セッション・ギタリストのリーダー・バンドによる公演。で、びっくり。“ファットバック”というどすこいファンク傾向フィーリングを示す言葉があるが、まさしくファンキーと言うよりはファットバックながちんこインスト主体表現をこれでもかと送り出してくれて。ショウが始まったとたん、ぼくの身体は揺れっぱなし、ときに心のなかでイエィと声をあげる。確かに黒っぽい弾き方も示していた人と思うが、こんなにグルーヴを柱に置く御仁とは知りませんでした。
その聞き味を支えるのは、もうドカチンなドラミングを披露するジェイソン・スミスと達者な指さばきを見せるオルガンのジョン“JT”トーマス。そんなに有名じゃないけど、なんだコイツら。そこに5弦電気ベースのJVコリアー(彼のみ、アフリカ系)とサックスのブランダン・フィールズ(テナーのみ使用。ぶいぶい、音色を吹き分けた)、そしていなくてもなんら問題はないサイド・ギターのアレクサンドラ・ゼファーという人たちが加わる。若い頃はけっこう綺麗だったんだろうなと思わせる長身のアラフォー女性である彼女は実はフェイトンの彼女らしい(フェイトンともども彼女はテレキャス系のモデルを弾いていた)。ドイツ生まれで00年からLAに住むようになった彼女は本来シンガー・ソングライターで、ネットでチェックしたら、もろに初期のリッキー・リー・ジョーンズ(2010年5月23日、他)を想起させる表現をやっている。ようは、アリ。この晩も2曲で前に出て歌ったが、ながら、その際はやはりがちんこなサウンドに乗っての黒っぽくもロック度数の強い曲を歌っていて、それはネットで聞けたものとはあまりに違う。このバンド、こういう豪腕モノしかできないのか?
実は、フェイトンが前にいるとき、1曲だけ茫洋としたスロウ曲をやった。その際、JTはオルガンではなくキーボードを実にどんくさく弾いたのだが、その総体の聞き味の悪さには驚愕。親族がこんな音楽をやっていたら幻滅し世間様に申し訳なくなって自決しなきゃと思うんではないか。その曲の間、いやでイヤでたまらないぼくはそんなことを考えていた。が、そんなことを思ったのも、他のアップ曲の味や手触りが素晴らしすぎるからナリ。
で、主役のフェイトンさん、刻みはいい感じで、単音主体のソロ(ライトハンド奏法も適時くりだす)も手際の良いフュージョンに陥らない刺あり。また、オープナーとクローザーでは歌った。とともに、ほうと思わされたのは、Tシャツ&ジーンズ、短髪という出で立ちの初老の彼の風体や足を踏ん張ってギターを弾く姿の奥に容易に少年時代の姿を透かせ見させるところがあったこと。ほんと、この人はギターを手にしたまま成人し、エスタブリッシュされ、先が見えつつも納得できる現在があるんだろうなと実感させられました。
そして、南青山・ブルーノート東京で、80年代中期からNYのポップ・フュージョン界でプログラミング/キーボード演奏で相当数の仕事をし、企画モノっぽいリーダー作(ぼくはあまり好きではない)を何作もだしているジャイソン・マイルズを元締めに、ギターのニック・モロク(2003年7月18日、他)、ベースのジェラルド・ビーズリー(2004年3月24日)、ドラムのバディ・ウィリアムズ(2002年6月25日)、サックスのアンディ・スニッツァーら同シーンの売れっ子セッション・マンが絡む公演。彼らは1ワクを挟んだ先週に行われた、グローヴァー・ワシントン・トリビュート・プロジェクトに参加していた5/7の面々。そして、そこにブレイズ頭が綺麗な喉自慢シンガーのライアン・ショウ(2008年3月1日、2008年11月24日)がアンコールを含めて5曲で入る。過去の彼の公演は簡素なギター・トリオが伴奏するものであっただけに、それなりに洗練された厚いサウンドが付けられた今回公演はそれだけでも意義がある。
くだけた、ソウル&ビヨンドの、インスト部にも時間をかける都会派洗練表現の夕べ、てな言い方も可能か。マイルス曲カヴァー(「ジャン・ピエール」)のインストもあれば、「ピープル・ゲット・レディ」の熱唱もありという感じでちょい間口を広げ過ぎ。個人的には、ライアンが歌う曲だけでまとめてほしかったな。
とかなんとか、仕事の合間にサッカー放映を楽しむでなく、TV観戦&関連もろもろの合間に仕事をすますという感じにもなっちゃっている(締め切りにはちゃんと原稿を出すぼくが、一件泣きの電話を事前に入れちゃったりもした)のだが、なんかライヴに行くのも久しぶりという感じ(←でもないか)で、この日はライヴを2つハシゴ。偶然、LAスタジオ勢とNYスタジオ勢がそれぞれ集った出し物だ。
まずは、丸の内・コットンクラブ。アリサ・フランクリン、ボブ・ディラン、リッキー・リー・ジョーンズ、デイヴィッド・サンボーン他様々な録音セッションに関与するとともに、自己バンドのフル・ムーンやラーセン・フェイトン・バンドでも根強い支持者を持つ、西海岸の大物セッション・ギタリストのリーダー・バンドによる公演。で、びっくり。“ファットバック”というどすこいファンク傾向フィーリングを示す言葉があるが、まさしくファンキーと言うよりはファットバックながちんこインスト主体表現をこれでもかと送り出してくれて。ショウが始まったとたん、ぼくの身体は揺れっぱなし、ときに心のなかでイエィと声をあげる。確かに黒っぽい弾き方も示していた人と思うが、こんなにグルーヴを柱に置く御仁とは知りませんでした。
その聞き味を支えるのは、もうドカチンなドラミングを披露するジェイソン・スミスと達者な指さばきを見せるオルガンのジョン“JT”トーマス。そんなに有名じゃないけど、なんだコイツら。そこに5弦電気ベースのJVコリアー(彼のみ、アフリカ系)とサックスのブランダン・フィールズ(テナーのみ使用。ぶいぶい、音色を吹き分けた)、そしていなくてもなんら問題はないサイド・ギターのアレクサンドラ・ゼファーという人たちが加わる。若い頃はけっこう綺麗だったんだろうなと思わせる長身のアラフォー女性である彼女は実はフェイトンの彼女らしい(フェイトンともども彼女はテレキャス系のモデルを弾いていた)。ドイツ生まれで00年からLAに住むようになった彼女は本来シンガー・ソングライターで、ネットでチェックしたら、もろに初期のリッキー・リー・ジョーンズ(2010年5月23日、他)を想起させる表現をやっている。ようは、アリ。この晩も2曲で前に出て歌ったが、ながら、その際はやはりがちんこなサウンドに乗っての黒っぽくもロック度数の強い曲を歌っていて、それはネットで聞けたものとはあまりに違う。このバンド、こういう豪腕モノしかできないのか?
実は、フェイトンが前にいるとき、1曲だけ茫洋としたスロウ曲をやった。その際、JTはオルガンではなくキーボードを実にどんくさく弾いたのだが、その総体の聞き味の悪さには驚愕。親族がこんな音楽をやっていたら幻滅し世間様に申し訳なくなって自決しなきゃと思うんではないか。その曲の間、いやでイヤでたまらないぼくはそんなことを考えていた。が、そんなことを思ったのも、他のアップ曲の味や手触りが素晴らしすぎるからナリ。
で、主役のフェイトンさん、刻みはいい感じで、単音主体のソロ(ライトハンド奏法も適時くりだす)も手際の良いフュージョンに陥らない刺あり。また、オープナーとクローザーでは歌った。とともに、ほうと思わされたのは、Tシャツ&ジーンズ、短髪という出で立ちの初老の彼の風体や足を踏ん張ってギターを弾く姿の奥に容易に少年時代の姿を透かせ見させるところがあったこと。ほんと、この人はギターを手にしたまま成人し、エスタブリッシュされ、先が見えつつも納得できる現在があるんだろうなと実感させられました。
そして、南青山・ブルーノート東京で、80年代中期からNYのポップ・フュージョン界でプログラミング/キーボード演奏で相当数の仕事をし、企画モノっぽいリーダー作(ぼくはあまり好きではない)を何作もだしているジャイソン・マイルズを元締めに、ギターのニック・モロク(2003年7月18日、他)、ベースのジェラルド・ビーズリー(2004年3月24日)、ドラムのバディ・ウィリアムズ(2002年6月25日)、サックスのアンディ・スニッツァーら同シーンの売れっ子セッション・マンが絡む公演。彼らは1ワクを挟んだ先週に行われた、グローヴァー・ワシントン・トリビュート・プロジェクトに参加していた5/7の面々。そして、そこにブレイズ頭が綺麗な喉自慢シンガーのライアン・ショウ(2008年3月1日、2008年11月24日)がアンコールを含めて5曲で入る。過去の彼の公演は簡素なギター・トリオが伴奏するものであっただけに、それなりに洗練された厚いサウンドが付けられた今回公演はそれだけでも意義がある。
くだけた、ソウル&ビヨンドの、インスト部にも時間をかける都会派洗練表現の夕べ、てな言い方も可能か。マイルス曲カヴァー(「ジャン・ピエール」)のインストもあれば、「ピープル・ゲット・レディ」の熱唱もありという感じでちょい間口を広げ過ぎ。個人的には、ライアンが歌う曲だけでまとめてほしかったな。
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