前回のマイク・スターン公演(2009年6月18日)のカルテット編成バンドのベーシストだけ替わり、ボナ(2010年2月5日、他)が新たに入ってのパフォーマンス。ギターのスターンは好漢まるだしの張り切りさん演奏、トランペットのランディ・ブレッカーはすべて電気を通しての演奏で、その聞き味には疑問。衰えていて生音では勝負できなくなっているのかどうかは知らぬが、あれだと別に鍵盤でやっても同じような音をだせちゃう感じで、トランペットという楽器を用いる美点は何もないじゃないか。そんな音を出す人(といっても、ときに一緒にテーマを弾いたり、ソロを取ったりするだけで、消えている時間はかなり多いが)を雇うスターンにも少し首をかしげる。ボナはやはり自分のバンドのときよりは控え目な存在感にて、となるか。デモ、イテクレルダケデウレシイ? 例のサンプリング/ループを用いてのヴォーカル小宇宙創作を披露する局面もありました。で、そうしなか、今回おおおおすげえじゃんと耳を引き付けたのが、ドラマーのデイヴ・ウェックル。ワザありの先に小気味いいタイトさやパワーをばっちり出したドラミングを披露していて、これはおいしい。最後のがちんこな曲を終えたとき、メンバー紹介をするスターンは彼のことを「ドラムは、ジョン・ボーナム(レッド・ツェッペリン)」と言っていた。アハハハ。米国フュージョン/スタジオ界にいる人でロック側でも売れっ子のドラマーというとまずヴィニー・カリウタのことが思いだされるが、ぼくがジェフ・ベック(2009年2月6日)だったらカリウタではなくウェックルのことを迷わず指名するナとも、そのうれしいドラミングに触れつつ思った。南青山・ブルーノート東京、セカンド・ショウ。

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