バカラック・トリビュート ジム・オルーク
2010年4月15日 音楽 現代ロックの重要人物、ジム・オルーク(2009年5月31日、他)が主導する、いろんな人がほんわかお手合わせした出し物。六本木・ビルボードライブ東京、ファースト・ショウ。
20世紀下半期の米国ポップ音楽界においてもっとも洒脱な作曲/編曲作業をしたと言えるかもしれないバート・バカラックの曲を日米の精鋭たちとカヴァーしたトリビュート作をオルークは出したばかりだが、これはそれを継ぐものとなる。その出演者は、オルーク(ギター、歌)に加え、クリヤ・マコト(ピアノ。2010年2月19日)、パニック・スマイルの石橋英子(キーボード。2008年1月30日、他)、青山陽一(ギター、歌、シェイカー)、須藤俊明(打楽器、ベース)、シカゴ音響/ジャズ系のダーリン・グレイ(ベース、打楽器)、ウィルコ(2003年2月9日)のグレン・コッチェ(ドラム)にプラスして、佐々木史郎(トランペット)、坂田明(歌、クラリネット、アルト・サックス。2009年7月19日、他)、細野晴臣(歌、ベース、ギター。2009年10月12日、他)、カヒミ・カリィ(歌。2009年5月31日、他)、ビューティフルハミングバードの小池光子(歌)、相対性理論のやくしまるえつこ(歌)、山本達久(打楽器。2010年1月9日、他)という面々が曲により出てきて関わる。オン・フィルモアという不思議系デュオ・ユニットを組んでもいる米国人の二人はともに、オルークのシカゴ時代の古い知己ですね。
青山が歌うオープナーが始まったときは、全体的にまとまりがなく、素人っぽくもあり、達者な人が揃っているのに、どうなることかと少し思った。リハ不足は明らか。レコーディングはけっこう別録りで、PC技術を駆使しているのかな。3曲目で坂田明が登場したとたん、場にプロっぽい雰囲気や余裕が表れて、さすが坂田御大と敬服。歌は、彼と小池光子(初めてきいたが、いい歌手)と宮沢喜一になんか似てきたと言われる細野晴臣はさすがと唸らせるものあり。オルークはけっこうバック・コーラスも取り、一曲ではしっかりリード・ヴォーカルも取ったが、けっこう声も出ていて訴求力を持つ。まあ、前衛/冒険方面作だけでなく、『ユリイカ』や『インシグニフィカンス』とかとても優れた歌心が息づく純ポップ作も彼は出しているわけだし、なんの不思議もないわけだけど。あ、このプロジェクトはあの路線の延長というか、バカラック愛好がそのポップ路線には素直に出ているとも言えるか。
素直な愛とちょっとした新たな視点の追加を少し加えた、甘美なバカラック派生表現の夕べ。古典との距離、米国人と日本人の邂逅、とか、いろんな視座を持ち込めるものでもあり、やはり触れられてうれしいという気持ちは得たし、オルークにはこれからもいろんなことをやってほしと切に思う。
それから、日本在住のオルークはほぼ1曲ごとにMCをしたが、それはすべて日本語にて(うち、小坂忠;2001年12月16日、の『ほうろう』が一番好きな日本のポップ・アルバムという発言あり)。で、端々から、腰の低いいい人ぶりが驚異的に伝わってくる。へえ〜。そりゃ、こんな人ならアメリカにはいづらいはずだよなー、と思わずにはいられず。とともに、なのにあれだけ、音楽の世界でのしあがれたなーとも。それこそは、秀でた音楽の才ゆえ?
20世紀下半期の米国ポップ音楽界においてもっとも洒脱な作曲/編曲作業をしたと言えるかもしれないバート・バカラックの曲を日米の精鋭たちとカヴァーしたトリビュート作をオルークは出したばかりだが、これはそれを継ぐものとなる。その出演者は、オルーク(ギター、歌)に加え、クリヤ・マコト(ピアノ。2010年2月19日)、パニック・スマイルの石橋英子(キーボード。2008年1月30日、他)、青山陽一(ギター、歌、シェイカー)、須藤俊明(打楽器、ベース)、シカゴ音響/ジャズ系のダーリン・グレイ(ベース、打楽器)、ウィルコ(2003年2月9日)のグレン・コッチェ(ドラム)にプラスして、佐々木史郎(トランペット)、坂田明(歌、クラリネット、アルト・サックス。2009年7月19日、他)、細野晴臣(歌、ベース、ギター。2009年10月12日、他)、カヒミ・カリィ(歌。2009年5月31日、他)、ビューティフルハミングバードの小池光子(歌)、相対性理論のやくしまるえつこ(歌)、山本達久(打楽器。2010年1月9日、他)という面々が曲により出てきて関わる。オン・フィルモアという不思議系デュオ・ユニットを組んでもいる米国人の二人はともに、オルークのシカゴ時代の古い知己ですね。
青山が歌うオープナーが始まったときは、全体的にまとまりがなく、素人っぽくもあり、達者な人が揃っているのに、どうなることかと少し思った。リハ不足は明らか。レコーディングはけっこう別録りで、PC技術を駆使しているのかな。3曲目で坂田明が登場したとたん、場にプロっぽい雰囲気や余裕が表れて、さすが坂田御大と敬服。歌は、彼と小池光子(初めてきいたが、いい歌手)と宮沢喜一になんか似てきたと言われる細野晴臣はさすがと唸らせるものあり。オルークはけっこうバック・コーラスも取り、一曲ではしっかりリード・ヴォーカルも取ったが、けっこう声も出ていて訴求力を持つ。まあ、前衛/冒険方面作だけでなく、『ユリイカ』や『インシグニフィカンス』とかとても優れた歌心が息づく純ポップ作も彼は出しているわけだし、なんの不思議もないわけだけど。あ、このプロジェクトはあの路線の延長というか、バカラック愛好がそのポップ路線には素直に出ているとも言えるか。
素直な愛とちょっとした新たな視点の追加を少し加えた、甘美なバカラック派生表現の夕べ。古典との距離、米国人と日本人の邂逅、とか、いろんな視座を持ち込めるものでもあり、やはり触れられてうれしいという気持ちは得たし、オルークにはこれからもいろんなことをやってほしと切に思う。
それから、日本在住のオルークはほぼ1曲ごとにMCをしたが、それはすべて日本語にて(うち、小坂忠;2001年12月16日、の『ほうろう』が一番好きな日本のポップ・アルバムという発言あり)。で、端々から、腰の低いいい人ぶりが驚異的に伝わってくる。へえ〜。そりゃ、こんな人ならアメリカにはいづらいはずだよなー、と思わずにはいられず。とともに、なのにあれだけ、音楽の世界でのしあがれたなーとも。それこそは、秀でた音楽の才ゆえ?
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