代官山・ユニット。豪州ベースのルーツィなロック・バンド(2008年4月4日)のギグ。レコード会社が新作リリースのプロモーションのため呼んじゃってのショーケースで、入場者はネットで募ったよう。1時間の予定と言われていたが、1時間半はやったはず。この下旬から、彼らは新作『エイプリル・ライジング』(このアルバムから、バンド名から定冠詞が抜けたみたい)をフォロウする全米ツアーに入る。
 
 バトラーは気合いの入ったドレッド・ロックスがトレイド・マークであったが、今は短髪に(なんでも、その理由を聞かれると、答えを濁すそう。父親になったのが、関係あったりして)。が、それ以上に大きいと言えるかもしれない変化は、なんとリズム・セクションが二人とも変わったこと。ドラマーは04 年作でも絡んだことがある義理の兄で、ベーシストはメロウなグルーヴ表現を聞かせるシドニー拠点のザ・レイ・マン・スリーのメンバー。彼らは今年のグリーンルーム・フェスに来るが、ちょうどバトラーのツアー中でどうするべかという感じらしい。ここで、彼は一部でウッド・ベースも弾く。ともあれ、すぐに了解できたのはバンドの音圧もそうだが、何よりバトラーの歌が少し雄々しくなっていること。それには、うれしくなる。最後の方では、3人でドラムを叩いたりしてチーム・ワークもばっちりな感じ。

 実はジャクソン5の「アイ・ウォント・ユー・バック」のカヴァーを披露するのをほのかに期待していたのだが、それはなし。彼のウェッブには、ラジオ番組に出演したとき披露した新作からの先行シングル「ワン・ウェイ・ロード」と「アイ・ウォント・ユー・バック」がアップされていて、なかなかいい感じであったから。普通は、アーティストのサイトをマメに見ることはあまりないが、インタヴューをすることになっていたので、ちゃんとチェックしていた次第……。ブルガリアにルーツを持つバトラーだが、彼が豪州で人気者になった理由はアーシィな事をやっているのに優男であったことも働いているんじゃないだろうか。そんな彼、弦を押さえない右手の指と左手の親指は爪を伸ばしていて、白いマニュキアを塗っていた。

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