ファウンテインズ・オブ・ウェイン。インガ・ユーソ&ハラール・スクレルー
2010年1月19日 音楽 クリス・コリンウッド(ヴォーカル、ギター)とアダム・シュレシンジャー(ベース)の敏腕作曲チームが率いる、米国東海岸ベースのポップなメロディ命の4人組の実演は渋谷・クラブクアトロにて。“フル・バンドによるアコースティック・ライヴ”という名目が付けられたもので、全面的にアコースティック・ギターが用いられてパフォーマンスは進む。シュレシンガーは時々、ピアノを弾いたりも。まあ、アンプラグド・ライヴとも、言えるものですね。その方策、サウンド的にはかなり単調にはなるが、曲の出来の良さは当然アピールされるな。あと、大人なほんわかしたグループ内の力学も。途中で客を3人あげてシェイカーやタンバリンを与えて演奏に参加させたが、それもバンドのほのぼの感にあっていた。
三分の一ぐらいはUKパワー・ポップ伯楽たるスクイーズ(そういえば、そのメンバーだったジュールズ・ホーランドが10人越えのバンドを率いて、3月にやってくる! @ブルーノート東京)の曲と重なる感じもあり、その際のコリンウッドの歌い口はスクイーズの誰かの歌声に似ているゾと思う。近い世界を見ていると、歌声も似てくるのだろうか。過去の表現に明るいということは彼らのアルバムを聞けばすぐに了解できるが、過去の有名曲断片を人力サンプリング的に挿入する場面もあった。あれ、コレなんだったけか、とか少し落ち着かなくさせられました。それから、メンバー紹介をする感じで、ピアノはアリシア・キーズ(や坂本龍一)、ベースはロン・カーター(やレヴェル42のマーク・キング)なぞと、2度ほどしょーもないボケをかましたりも。それには、少しいたたまれない気持ちになりました。でも、ほんと音楽好きのバンドなんだろうな。
作曲する人が同じティンテッド・ウィンドウズ(2009年1月15日)と彼らの違いは? ライヴを見ていて、そんな問いかけが出てきたりも。まあ、リード・シンガーが異なるわけだから、当然持ち味は変わってくるわけだが。サッカーを例に出すなら、ナショナル・チームとよく整備されたクラブ・チームの違いのようなものか。サッカー愛好者にしか分からないかもれないが、これはいい例えじゃん、とお酒を飲みながら思った。ビールとバーボンを摂る。
その後、南青山・月見ル君想フに移動。北欧サーミの歌唱スタイルであるヨイクのフル・タイム・シンガーであるという(なるほど、ヴォキャブラリーが沢山ある感じではなかったが、フツーに英語でMCをする)インガ・ユーソの歌を聞く。彼女はスタイナー・ラクネスという同じノルウェイ人のジャズ・ベーシストとスカイディというユニットを組んでいて、今回はそのユニットでパフォーマンスをするはずだったが、ラクネスが家庭の事情で急遽これなくなり、かわりにハラール・スクレルーというノルウェイ人打楽器奏者がサポート。
細かい刺繍がついたコバルト・ブルーの民族衣装を来てステージに出てきたユーソおばさんは貫禄たっぷり。そして、我が道を行かさせたいただきますわ、という感じで声を出す。予想したほど、その歌声は圧倒的な力感とともに空気をふるわせるというものではなかったが、特殊な抑揚とともにうれしい存在感と“北”たる異国情緒を放つ。歌ったのはトラッドなのかな、一部は日本の民謡やケルト系表現を思い出させたりもする。ヨイクは言葉を超えたコミュニケーションの手段、みたいなことを言っていたっけか。彼女は過去にも来日したことがあるという。
打楽器奏者のスクレルーは彼女の歌にソツなく素朴によりそうわけだが、打楽器演奏から曲が始まるときもあったりして、二人は過去共演を積んでいるのは間違いない。彼はヨン・バルケの06 年ECM作に入っていたりもするが、叩き口はかなり個性的。バス・ドラムみたいな太鼓を横に寝かして、ヘッドの上に小物を置いて、ならしたりする。もう一つの世界観を持っていて、彼がふんわり音を出せば、あたりは“不思議の森”になる……なんて、感想を少し覚えたかも。赤ワインを飲む。
その後、流れで青山・プラッサオンゼに。演奏は当然終わっていたが、出演者だったギタリストの越田太郎丸さん(彼が中心となってトニーニョ・オルタ耽溺プロジェクトをこの晩やっていたよう)から、彼が参加するグループのプリズマティカの新作『Life Giving Water』(Inpartmaint,09年)をいただく。女性シンガーを擁する、ブラジル要素が活きた流動度の高いアーバン・ポップ作。レニー・クラヴィッツの「イット・エイント・オーヴァー・ティル・イッツ・オーヴァー」も技ありでカヴァーしていて、タイトル・トラックはジャズトロニックによる静謐リミックス・ヴァージョンも収録(というのに表れているように、クラブ・ミュージック的視点も持つと、書けるのかな)。ピンガーをぐびぐび。
三分の一ぐらいはUKパワー・ポップ伯楽たるスクイーズ(そういえば、そのメンバーだったジュールズ・ホーランドが10人越えのバンドを率いて、3月にやってくる! @ブルーノート東京)の曲と重なる感じもあり、その際のコリンウッドの歌い口はスクイーズの誰かの歌声に似ているゾと思う。近い世界を見ていると、歌声も似てくるのだろうか。過去の表現に明るいということは彼らのアルバムを聞けばすぐに了解できるが、過去の有名曲断片を人力サンプリング的に挿入する場面もあった。あれ、コレなんだったけか、とか少し落ち着かなくさせられました。それから、メンバー紹介をする感じで、ピアノはアリシア・キーズ(や坂本龍一)、ベースはロン・カーター(やレヴェル42のマーク・キング)なぞと、2度ほどしょーもないボケをかましたりも。それには、少しいたたまれない気持ちになりました。でも、ほんと音楽好きのバンドなんだろうな。
作曲する人が同じティンテッド・ウィンドウズ(2009年1月15日)と彼らの違いは? ライヴを見ていて、そんな問いかけが出てきたりも。まあ、リード・シンガーが異なるわけだから、当然持ち味は変わってくるわけだが。サッカーを例に出すなら、ナショナル・チームとよく整備されたクラブ・チームの違いのようなものか。サッカー愛好者にしか分からないかもれないが、これはいい例えじゃん、とお酒を飲みながら思った。ビールとバーボンを摂る。
その後、南青山・月見ル君想フに移動。北欧サーミの歌唱スタイルであるヨイクのフル・タイム・シンガーであるという(なるほど、ヴォキャブラリーが沢山ある感じではなかったが、フツーに英語でMCをする)インガ・ユーソの歌を聞く。彼女はスタイナー・ラクネスという同じノルウェイ人のジャズ・ベーシストとスカイディというユニットを組んでいて、今回はそのユニットでパフォーマンスをするはずだったが、ラクネスが家庭の事情で急遽これなくなり、かわりにハラール・スクレルーというノルウェイ人打楽器奏者がサポート。
細かい刺繍がついたコバルト・ブルーの民族衣装を来てステージに出てきたユーソおばさんは貫禄たっぷり。そして、我が道を行かさせたいただきますわ、という感じで声を出す。予想したほど、その歌声は圧倒的な力感とともに空気をふるわせるというものではなかったが、特殊な抑揚とともにうれしい存在感と“北”たる異国情緒を放つ。歌ったのはトラッドなのかな、一部は日本の民謡やケルト系表現を思い出させたりもする。ヨイクは言葉を超えたコミュニケーションの手段、みたいなことを言っていたっけか。彼女は過去にも来日したことがあるという。
打楽器奏者のスクレルーは彼女の歌にソツなく素朴によりそうわけだが、打楽器演奏から曲が始まるときもあったりして、二人は過去共演を積んでいるのは間違いない。彼はヨン・バルケの06 年ECM作に入っていたりもするが、叩き口はかなり個性的。バス・ドラムみたいな太鼓を横に寝かして、ヘッドの上に小物を置いて、ならしたりする。もう一つの世界観を持っていて、彼がふんわり音を出せば、あたりは“不思議の森”になる……なんて、感想を少し覚えたかも。赤ワインを飲む。
その後、流れで青山・プラッサオンゼに。演奏は当然終わっていたが、出演者だったギタリストの越田太郎丸さん(彼が中心となってトニーニョ・オルタ耽溺プロジェクトをこの晩やっていたよう)から、彼が参加するグループのプリズマティカの新作『Life Giving Water』(Inpartmaint,09年)をいただく。女性シンガーを擁する、ブラジル要素が活きた流動度の高いアーバン・ポップ作。レニー・クラヴィッツの「イット・エイント・オーヴァー・ティル・イッツ・オーヴァー」も技ありでカヴァーしていて、タイトル・トラックはジャズトロニックによる静謐リミックス・ヴァージョンも収録(というのに表れているように、クラブ・ミュージック的視点も持つと、書けるのかな)。ピンガーをぐびぐび。
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