ラウル・ミドン

2009年10月8日 音楽
 特殊回路アリの、生ギター弾き語り系シンガー・ソングライター(2007年11月26日、他)のレコード会社を移籍してのシューケースのライヴ。場所は、代官山・ユニット。ここで、彼がショーケースの実演をやるのは3度目となる。ま、別にそれはどうでもいいけど、プロモーション活動に協力的なアーティストではあるのだろうな。

 今回は新作からの曲ばかりをやった(よう)。そのユニバーサル系の新作のプロデュースをやっているのは、マデリン・ペルーとかメロディ・ガルドーとか同社の押しのアダルト系アクトをここのところ制作依頼されているラリー・クライン。うーん、なんか、ユニバーサルA&Rは芸がないぞと思ってしまうか。そこまで、クラインは秀でた安全パイの人ではないでしょう。そのミドン新作は今までで一番カチっとした仕上がり(一番AORっぽい、とも言えるかもしれない)を見せるものだが、はたしてクラインはべストなチョイスであったかどうか。あと、実演で目新しかったのは、ジャンゴ・ラインハルト=マヌーシュ・スウィング的なインスト曲をやったこと。その手の担い手の演奏から見れば冗談みいたいなものだったけど、なんかホっとさせるものがあったな。ミート&グリートのとき、ちょい話をかけたら、ミドンは延々と話をかえしてくる。後に待っている人が沢山いて、小心者のぼくは恐縮しきり。

 そのあとちらりと代官山・晴れたら空に豆まいての鬼怒無月+鈴木大介(+佐藤芳明&芳垣安洋)のギグをのぞく。ときに格調高かったり審美眼が光っている視野の広いアコースティック・ギターの重なりに、アコーディオンやドラム音が巧みに入り、即興性を持ちつつ、普遍的な断面/手触りも描こうとしていた(かも)。その晩、久しぶりに一緒に流れた人は05年秋のミドンのショーケース・ライヴのときもそうだった(晴れ豆にちらり寄った)んですよと言う。なんか、進歩ねーかも。ま、それもいいか。

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