6人組の日本人タンゴ・グループのデビュー作リリースをフォロウする公演。第一ヴァイオリン奏者とピアニストが女性でリーダーシップを取り、もう一人のヴァイオリン奏者、二人のバンドネオン奏者、コントラバス奏者は男性だ。みな、正装っぽい格好。MCによれば、それぞれタンゴに見せられてアルゼンチン詣でをしているそうな。冒頭、ステージ背後に<日本人としてのタンゴを作って、聞く人を気持ちよくさせられたら>みたいな口上が映し出される。なるほど。さらに曲の冒頭には、作曲/編曲者の名前や曲の背景や狙いなどを伝える情報も出される。ウザく感じる人もいるかもしれないが、門外漢のぼくには有用。

 ピアソラ他のアルゼンチン人曲をアダプトしたものとともに、何曲も女性陣のオリジナル曲もやった。ぼくはアルゼンチン・タンゴというとパッションや情念やダンディズムと裏返しのアヴァンギャルド感などをまずなんとなく思い浮かべたりもするが、もう少しまろやかだったり、メロディアスだったりする、本場を見上げた彼女たちなりのタンゴ表現が展開されていたような。なお、2曲ほどは男女ダンサーが出てきて、キメキメで踊る。やっぱり、タンゴもダンス・ミュージックなり。それ、ポピュラー・ミュージックの掟ですね。

 2部制のコンサート。おいしい用事アリで、一部を見て会場を後にする。2部にはアルゼンチンからやってきた歌手(エル・チノ・ラデボデ)やギター奏者(ディエゴ・クイッコ)も出たようだ。リッチな設定ですね。赤坂・草月ホール。久しぶりにいったが、かなり舞台が開けて見えるホールなんだな。

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