シック

2009年4月6日 音楽
 南青山・ブルーノート東京(セカンド・ショウ)。わあ、ステージ左右横と客席部後方上部には桜のけっこうな量の枝が置かれている。花屋さんて、桜も調達してくれるの? 日本に住んでいてよかったァと思える筆頭が、春に桜に触れられること、也。

 全10人編成、ジェリー・バーンズ(2008 年3月15日、他)やベースやテナー・サックスのビル・ホロマンのような長年つきあっている人もいれば、シンガーほか新たに加わった人もいる。いろんな変化を受けつつバンドは続くわけだが、これまで(2003年4月15日、2003年8月24日、2006年4月11日)で一番、カジュアルなのりを持つパフォーマンスだったのでは。客を何人か上げてギターを弾かせるギター大会をやってみたり(オーディエンスの拍手の大きさで勝者を決める。それ、アポロ・シアターのアマチュア・ナイト〜2004年9月15日〜の要領ね)。また、デイヴィッド・ボウイの「レッツ・ダンス」やマドンナの「ライク・ア・ヴァージン」などのナイル・ロジャース制作関与の断片もリクエストの声に従い次々にやる。この晩、外国人比率が少し高めで、毎度以上に声が飛び交った。実はワタシも一瞬、「(故ロバート・パーマーの)アディクテッド・トゥ・ラヴ」と声をかけたいと思ったけど、あれを制作したのは故バーナード・エドワーズのほうでしたね。なお、黄金のシック男性三人衆のもう一人、強力ドラマーのトニー・トンプソンも03年にカリフォルニア州エンシノで亡くなってしまっている。

 例により、次から次へと耳なじみあるビート・ナンバーが送り出される。ロバート・ワイアットのカヴァー名歌唱でも知られる超感動スロウ「アット・ラスト・アイム・フリー」は今回はやらず。聞きたかったが、パーティ度数の高い今回のノリでは浮いちゃうか。なんにせよ、熱気と良質なエンターテインメント性、渦巻く。そして、その中心にいるのは(一人サヴァイヴしている)ナイル・ロジャース、その人。80年前後のNYダンス・ポップ・サウンドを一新させ、いろんな有名人を料理した珠玉のキャリアを持つ彼はショービズをなめておらず、観客をリスペクトしている! ほんと、接しているとそう思わずにはいられない。そんな人が掌握するショウが悪いはずがないし、何度触れたって熱く感動できるのは当然じゃないか!

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