80年代初頭結成のウェスト・コーストをベースとする長寿コンテンポラリー・ジャズ・グループ(2003年9月11日)の公演、丸の内・コットンクラブ(ファースト・ショウ)。ピアノのラッセル・フェランテ(2007年12月16日)、6弦電気ベースのジミー・ハスリップ(2004年3月24日、2004年12月17日)、ドラマーのマーカス・ベイラー(2007年12月16日)、リード楽器のボブ・ミンツァー(オリジナル・メンバーではない彼がMCをした)にプラスして、ギタリストのマイク・スターンが加わった編成によるもの(彼、1曲以外は譜面を見ず)。で、BS&Tを経て、80年代初頭の復帰後のマイルス・デイヴィス・バンドに加わって知名度を得たスターンの様にはびっくり。もう、馬鹿みたいに快活、もう客に愛想振りまきまくり。一人で、満面笑顔ではしゃぎまくっていたよなあ。うわあこんな人だったのという感じ。そんな事に今頃気付くというのは、過去沢山来日しているはずだが、なんかフュージョンぽい感じがして、ぼくは過去の彼の来日ギグをことごとくパスしていたという事なんだろう。なんにせよ、それは熱いココロあるなりきり型ミュージシャンの物腰としてアリなはず。彼は6月に自己バンドでブルーノート東京にまたやってくるのだが、それは見にいっちゃおっかな。

 大昔はフュージョンと言えるアルバムがあったかもしれないが、完全にコンテンポラリー・ジャズというしかない甘さを排した演奏をびしっと披露、な〜かなか。ウキっとなれちゃったな。やっぱ、イエロージャケッツは信頼できる、そう再認識しました。

 続いて、南青山・ブルーノート東京。イタリアの70年生まれのわりかしイケ面なジャズ・ピアニスト(うわ、鼻でけえ)の公演。新作と同様の顔ぶれによるものでイタリア人ベーシストのジャンルカ・レンジ(2006年11月13日)、個性派米国人ドラマーのリオン・パーカーを率いてのもの。「ディア・ストックホルム」他スタンダードを混ぜて、私のピアノ演奏を聞かせる。ライヴだとより面白い瘤を出すんじゃないかと思ったら、そんな事はなく、けっこうフツー。でも、そこここに趣味の良さは表れていたかな。

<番外付録>
 アメリカの業界人から、マイク・スターンは直系ではないものの米国安売りチェーン百貨店のスターンの血を引き、安泰趣味ノリで音楽に没頭できる、と聞いた事がある。で、もっとも秀でたシンガー・ソングライター作をモノにしているセンテイ・トイ(彼女の旦那は偉人ぶっとびリード奏者/作曲家のヘンリー・スレッギル!)に取材したときに、マイク・スターンの嫁でやはりジャズ・ギタリストであるレニ・スターンととても仲がいいと言うので、先のウワサを確認したところ……。一笑にふされました。



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