ガイア

2009年3月18日 音楽
 名前だけを見ると?だが、実力者そろいのグループであり、在NYのプレイヤーの興味深い結びつきが見える多国籍トリオですね。その内訳はカサンドラ・ウィルソンやマーカス・ミラーのグループで重用されるスイス人ハーモニカ奏者のグレゴア・マレ(2004年9月7日、2006年9月3日、2007年12月13日)、ミシェル・ンデゲオチェロやSMV(スタンリー・クラーク、マーカス・ミラー、ヴィクター・ウッテン)で来日しているウルグアイ人キーボード奏者のフェデリコ・ゴンザレス・ペナ(2002年6月18日、2008年9月8日)、そしてデイヴィッド・サンボーンやミシェル・ンデゲオチェロから信頼を受ける米国人ドラマーのジーン・レイク(1999年5月25日、2000年3月25日、2002年6月18日、2003年7月18日)というもの。なんでも3人はもともと仲良しで、それなのになんで一緒に音楽をやらないのかとなり、ガイアを組んだのだそう。そんな“趣味”のグループはまだアルバムを出していないが、すでにレコーディングは済ませているようだ。丸の内・コットンクラブ、セカンド・ショウ。

 出だしや曲によってはけっこう構成に凝っていて、ただのセッション・バンドではないぞと思わせる。ぼくはマレのハーモニカの音色/風情に依ったエキゾな流動表現をまず想起していたのだが、そういう部分もある(その延長の、パット・メセニー的牧歌調もアリ)が、曲によってはばりばり三者で丁々発止しあっていて、その場合みんな腕がたつので接していて超高揚する。その際はマレもぎんぎんに吹き倒す。シンバルの数が多く、スネアを二つ置くセットを叩いていたレイクは強力の一言。もう、ドラム・フェチのぼくも大満足。MCはペーニャがやっていたが、音楽的なところを一番見ているのは彼かな。ベース音も左手で弾いていた(後半は、モーグ・シンセを用いてそれを出していたが、あっぱれ)彼はピアノ、複数の電気キーボード(うち、コルグのトリトンが大活躍。途中、彼はそれをパーカッションとして使い、レイクと渡り合ったりもした)を扱い、表現にヴァリエイションと変化を付ける。うーん、何かと、いろいろおもしろかった。3人の共通点はマーカス・ミラーのバンドにいたことだそうで、ミラーの「ツツ」も披露。アンコールはかなり捻りのある、「オール・ブルース」(マイルス・デイヴィス作)。

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