女性ジャズ・ドラマーの第一人者が興味深い面子とともにやる嬉しい実演。南青山・ブルーノート東京。

 ベース(電気ベースも置いていたが、縦に専念)は話題のエスペランサ・スポルディング(2008年9月5日)。おお、女性リズム・セクションだあ。テナー・サックスは、なんとゲイリー・トーマス。スティーヴ・コールマンの後を追うようにシーンに出てきて、グレッグ・オズビーと仲良くしながらぶいぶい言わせていた人。たぶん地元のボルチモアで活動しているせいもあるだろう、ここ10年ぐらいはあまり動向が伝わらなかったが、元気そうでなにより。ときにキーボードも弾いたピアニストのアルアン・オルティスは無名だが、エスペランサのメジャー・デビュー前にスペインのインディから出たアルバムで弾いていた人だ。

 真摯に、聞き手によっては難解さを覚えるかもしれないコンテンポラリー・ジャズを展開。そのノリをあまり崩さず1曲はジョニ・ミッチェルのカヴァーもやったけっか。その際はキャリントンが歌った。エスペランサは得意の歌/スキャットはかまさず、丁々発止するベース演奏に専念。


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