日曜のスライ(8月31日)を見て、ぼくは大きく安堵。思っていた以上にちゃんとやって、時間もそこそこ出て。こりゃ1日だけ組まれた単独公演は場所柄すごいことになりそう、そんな期待に胸を膨らませて、ぼくは会場入りした。南青山・ブルーノート東京、ファースト・ショウ。

 バンドが出てきて、前奏的にパフォーマンス。それは国際フォーラムと同じ。ただ、一つだけ間違いなく言えるのは、この日のほうが格段に音質が良く、それと比してバンド・サウンドの質もより高くなっていたこと。で、そうすると、やはりバンドにはいい奏者が選ばれているのが分かりますね。トロンボーン奏者にせよキーボード奏者にせよ、外様奏者たちがたまに見せるソロは素敵。(他の奏者たちもそうだろうけど)シンシア・ロビンソンさん、とっても東京が気にいっているみたい。ぼくは、そんなあんたが大好きよん。ローズらはみんな老けて見えない、キャラもあるし、70年ごろに彼女らを見てみたかった。言わずもがな、だが。

 ……ありゃ、いくらバンドが演奏してても、御大は出てこない。30分過ぎぐらいからか、そういう事にも慣れているはずのバンドの面々もまだ出てこないのかなというそぶりを見せる。ぼくもどーしちゃったのとソワソワしちゃう。で、演奏開始40分後ぐらいに31日にはやっていない「サムバディズ・ウォッチング・ユー」のときにやっとスライが登場。灰色のパーカーを着ていてフードを頭からすっぽり被っていて、これじゃ今日だけ見た人だとその髪型や顔つき(両日ともサングラスは着用)とか分からないナ。ともあれ、ホ。待ってましたァと、客は一段と沸く。で、うつむき加減で歌い、ときに鍵盤を触る。その模様は31日とほぼ同じ。少し困惑気味なようでもあり、薄ら笑いをほんのり浮かべているようであり。どこか、コワレテいると感じさせる部分はアリ。が、それは彼に関しては悪い印象とは結びつかない。……だが、スライは10分少しでひっこんじゃう。ステージ行き帰りの際、彼はまさに横を通る。ワ。じ〜ん。推定、162センチ。そりゃ、小柄な事にコンプレックスを抱いていたプリンスは入れ込みますね。

 短い時間ではあったものの、いいものを見せてもらったナと、やはり思わずにはいられず。多大なものに、落とし前を落とせたな、決着をつける事が出来たナという安堵感のようなものもぼくは得た。まあ、ぼくの場合、東京国際フォーラムで30分以上(アップを映すヴィジョン映像付きで)スライを見れたという余裕があったから笑っていられるのかもしれぬが。ともあれ、スライの変テコさ、へそ曲がりぶり(だからこその、他の担い手とはあまりに違うその音楽!)、万歳! あと、ぼくは大昔、スライ&ザ・ファミリー・ストーンをオルタナ・ロックとして愛好していた事も思い出した。

 ああ、今年の夏も終わりだナ……。なお、セカンド・ショウもスライ・ストーンは10分ぐらいの登場だったそうだ。

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