おお、ものものしい名前。その内訳は、ザ・ミーターズ〜ザ・ネヴィル・ブラザーズ(2004年9月18日)のシリル・ネヴィル(パーカッション)、ザ・ミーターズのジョージ・ポーターJr.(ベース。2004年2月4日)、ヘンリー・バトラー(ピアノ。2004年9月17日、2006年7月14日)、そしてほとんど無名のキンドラー・カルト(ドラム)というもの。当初はザ・ダーティ・ダズン・ブラス・バンド(2007年5月15日、他)のレイモンド・ウェバーが来る予定だったが、来れなくなったみたいで、まだ若いカルト君が来ていた。で、彼以外はニューオーリンズ勢大集合のザ・ニューオーリンズ・ソシアル・クラブ名義の好盤『シング・ミー・バック・ホーム』(BMG、06年)に参加していますね。

 冒頭2曲はセカンド・ラインぽい、ジャムなインスト。若いドラマー、いいじゃん。さすが、熟達者たちが連れてくるだけある。まあ、彼らにとってみれば鼻歌キブンだろうが、一言で書けば、“NOLAは美味しい”。NOLAとは、ルイジアナ洲ニューオーリンズの略。同地ではよく使われる表記だ。ステージには常設のグランド・ピアノもあるが、バトラーはキーボード(音色はエレクトリック・ピアノ)を弾く。指が踊る。ギターレスなためもあってか、ポーターはかなり饒舌な指さばきを見せる場合も。

 3曲目以降は「レット・ザ・グッド・タイムズ・ロール」(シャーリー&リーのヒット曲ではなく、ドクター・ジョンが『ガンボ』で歌っていたほう)とかヴォーカル曲も出てくるが、セッションぽい緩さは維持。ながら、ちゃんと芯があるのは熟達者ならでは。ドラマーを除く3人が歌い、部分的には歌を重ねたりもするのだが、みんな声がでかくていいな、訴求力があって嬉しいな。それはなんかミュージシャンとしての自力が違うとも思わせ、それもまた日本の担い手にはないものと痛感させるものであり、異国情緒を聞き手に感じさせるものではなかったか。ああ、シリル・ネヴィルはこの10月下旬に再びネヴィルズでやってくる。いやがうえにも、期待は高まる……ものの、もしかすると、ぼくは見れなくなる可能性もあるんだよなー。六本木・ビルボードライブ東京、セカンド・ショウ。本編が終わると、後ろの幕が開きショウの終了が告げられたが、アンコールに応じる。そして、曲を終えたあと、メンバーたちは長々と握手に応じた。

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