ジャネット・クライン。ソウライヴ
2008年7月23日 フジ・ロックの週……。同フェスと関連を持つ、外タレ2組のショウを見る。
まず、渋谷・デュオで、米国西海岸の浮き世離れしたレトロ歌手のジャネット・クラインを見る。最初に、大阪拠点のスウィート・ハリワイアンズ(ハリウッドとハワイアンの造語か)という4人組が40分演奏。基本の編成はスティール・ギター、ウクレレ、フルアコの電気ギター、縦ベース、ときにはもるヴォーカル・パートがあったりもする。古いハワイアン(やはり、この季節は気分ですね)を中心とし、そこに広義のアメリカン手作り音楽が溶けたようなことをするグループ。スタンディングで見る物ではないが、フツーに悪くない。全員、白いシャツにオールドなネクタイ、サスペンダーにダーク・スーツのパンツという格好。最後に、クラインのバンドの70歳は超えているだろう、いい味出してる老ギタリストが加わる。
そして、ほんわかしたアメリカの古〜いポップ・ソングを歌う、クラインが登場。格好や髪型などすべてオールド・タイムな感想を引き出すものでかため、ちょい舌ったらずな歌い方はシアトリカルという感想も出てくるか。プロに徹してなりきっているようでもあり、もともと天然であるようでもあり。なんにせよ、この手の表現だと黄昏れた風情が蔓延するものだが、彼女のどこかキャピっとした風情からか、そういうものはそれほど感じられない。いや、そーでもなかったかな? バッキングはギター、ヴァイオリン(朝顔がついてて、そこから音を出すボディレスの珍しいヴァイオリンも弾く)、縦ベース。みんなキャラがたってて、確か。それに触れると、アメリカの豊かさ、嬉しい懐の深さのようなものも無条件で感じ事ができるかも。途中、マンボだかマヌーシュ・スウィングだかのバンドで歌っているという日本人女性シンガーが出てきて2曲デュエット。そこで、会場を退出。クラインたちは、フジ・ロックの複数の場に出るようだ。
そして、南青山・ブルーノート東京(セカンド・ショウ)に移って、ソウライヴ(2000年8月12日、2001年2月1〜2日、2003年3月31日、2004年4月1日、2005年7月30日、他)を見る。前回(2007年10月9日)はヴォーカリスト付きの4人編成によるものだが、そのトゥーサンはアルバム1枚とそのツアーだけでサヨナラになってしまって、再び3人組に戻ってのもの。ただし、今回は3人のホーン・セクション(テナー、アルト、トランペット)を同行させているのがポイント。冒頭の2曲と、アンコールの1曲目を除いて、すべて3人はセクション音をつけ、かわりばんこにソロも取る。そんな難しい曲じゃないせいもあるけど、彼ら譜面なしで演奏していた。
とくに、ぼくが注目していたのは管の一角、トランペット奏者のクリスチャン・スコット。20代半ばの彼はコンコードから2枚のリーダー作を出していて、なぜかあのプリンスも目をつけ彼の07年作『プラネット・アース』のレコーディングに呼ばれていたりもする人物。が、それ以上に目を向けるべきなのは、彼がニューオーリンズのマルディグラ・インディアンのチーフの家系に生まれている事。ドナルド・ハリソンの甥でもある彼は4歳ごろから着飾ってパレードに出たりもしたという。で、彼はソロ演奏のとき、そういうニューオーリンズの血(昨年2月初旬のニューオーリンズ行きの項にも少し触れているように、やはりニューオーリンズは管楽器奏者比率が高くて、そのなかでもトランペットが花形なのダ。でもって、デカい音が出せる奴が偉いという価値観もどこか残っているように思える)を引いているとしか言いようのない、派手で扇情的な吹き音を出すことに終始していて、大笑い。当然、管楽器奏者のソロのなかでは彼が一番受けていましたね。が、そんな彼も自分の表現となると、暗くどんよりしたアブストラクトなサウンドを用意し、もあもあしたトランペットを吹く。そのココロはレディオヘッド(2001年10月4日、2004年4月18日)が大好きで、レディオヘッドをジャズ文脈でやりたいから。ケケケ。いやあ、ミュージシャンって、人間の好みっておもしろい。彼はこの9月(8〜11日)にもマッコイ・タイナー・トリオ(2003年7月9日)のブルーノート東京公演のゲストでやってくる。そのとき、彼はどんなトランペット演奏を聞かせるだろうか。けっこう、楽しみ。
アンコール2曲目は、アーチー・ベル&ザ・ドゥレスの68年全米1位曲の「タイトゥン・アップ」のカヴァーで、リーダーのアラン・エヴァンスが歌う。超満員のなか、結局2時間ほどやったんじないか。彼らは週末に顔ぶれを半分変えてレタス(2003年11月18日、同11月22日)の名のもと、苗場スキー場に向かう。その前に、アラン・エヴァンス(ドラム)とサム・キニンジャー(アルト)は彫り士の所に行く予定。
まず、渋谷・デュオで、米国西海岸の浮き世離れしたレトロ歌手のジャネット・クラインを見る。最初に、大阪拠点のスウィート・ハリワイアンズ(ハリウッドとハワイアンの造語か)という4人組が40分演奏。基本の編成はスティール・ギター、ウクレレ、フルアコの電気ギター、縦ベース、ときにはもるヴォーカル・パートがあったりもする。古いハワイアン(やはり、この季節は気分ですね)を中心とし、そこに広義のアメリカン手作り音楽が溶けたようなことをするグループ。スタンディングで見る物ではないが、フツーに悪くない。全員、白いシャツにオールドなネクタイ、サスペンダーにダーク・スーツのパンツという格好。最後に、クラインのバンドの70歳は超えているだろう、いい味出してる老ギタリストが加わる。
そして、ほんわかしたアメリカの古〜いポップ・ソングを歌う、クラインが登場。格好や髪型などすべてオールド・タイムな感想を引き出すものでかため、ちょい舌ったらずな歌い方はシアトリカルという感想も出てくるか。プロに徹してなりきっているようでもあり、もともと天然であるようでもあり。なんにせよ、この手の表現だと黄昏れた風情が蔓延するものだが、彼女のどこかキャピっとした風情からか、そういうものはそれほど感じられない。いや、そーでもなかったかな? バッキングはギター、ヴァイオリン(朝顔がついてて、そこから音を出すボディレスの珍しいヴァイオリンも弾く)、縦ベース。みんなキャラがたってて、確か。それに触れると、アメリカの豊かさ、嬉しい懐の深さのようなものも無条件で感じ事ができるかも。途中、マンボだかマヌーシュ・スウィングだかのバンドで歌っているという日本人女性シンガーが出てきて2曲デュエット。そこで、会場を退出。クラインたちは、フジ・ロックの複数の場に出るようだ。
そして、南青山・ブルーノート東京(セカンド・ショウ)に移って、ソウライヴ(2000年8月12日、2001年2月1〜2日、2003年3月31日、2004年4月1日、2005年7月30日、他)を見る。前回(2007年10月9日)はヴォーカリスト付きの4人編成によるものだが、そのトゥーサンはアルバム1枚とそのツアーだけでサヨナラになってしまって、再び3人組に戻ってのもの。ただし、今回は3人のホーン・セクション(テナー、アルト、トランペット)を同行させているのがポイント。冒頭の2曲と、アンコールの1曲目を除いて、すべて3人はセクション音をつけ、かわりばんこにソロも取る。そんな難しい曲じゃないせいもあるけど、彼ら譜面なしで演奏していた。
とくに、ぼくが注目していたのは管の一角、トランペット奏者のクリスチャン・スコット。20代半ばの彼はコンコードから2枚のリーダー作を出していて、なぜかあのプリンスも目をつけ彼の07年作『プラネット・アース』のレコーディングに呼ばれていたりもする人物。が、それ以上に目を向けるべきなのは、彼がニューオーリンズのマルディグラ・インディアンのチーフの家系に生まれている事。ドナルド・ハリソンの甥でもある彼は4歳ごろから着飾ってパレードに出たりもしたという。で、彼はソロ演奏のとき、そういうニューオーリンズの血(昨年2月初旬のニューオーリンズ行きの項にも少し触れているように、やはりニューオーリンズは管楽器奏者比率が高くて、そのなかでもトランペットが花形なのダ。でもって、デカい音が出せる奴が偉いという価値観もどこか残っているように思える)を引いているとしか言いようのない、派手で扇情的な吹き音を出すことに終始していて、大笑い。当然、管楽器奏者のソロのなかでは彼が一番受けていましたね。が、そんな彼も自分の表現となると、暗くどんよりしたアブストラクトなサウンドを用意し、もあもあしたトランペットを吹く。そのココロはレディオヘッド(2001年10月4日、2004年4月18日)が大好きで、レディオヘッドをジャズ文脈でやりたいから。ケケケ。いやあ、ミュージシャンって、人間の好みっておもしろい。彼はこの9月(8〜11日)にもマッコイ・タイナー・トリオ(2003年7月9日)のブルーノート東京公演のゲストでやってくる。そのとき、彼はどんなトランペット演奏を聞かせるだろうか。けっこう、楽しみ。
アンコール2曲目は、アーチー・ベル&ザ・ドゥレスの68年全米1位曲の「タイトゥン・アップ」のカヴァーで、リーダーのアラン・エヴァンスが歌う。超満員のなか、結局2時間ほどやったんじないか。彼らは週末に顔ぶれを半分変えてレタス(2003年11月18日、同11月22日)の名のもと、苗場スキー場に向かう。その前に、アラン・エヴァンス(ドラム)とサム・キニンジャー(アルト)は彫り士の所に行く予定。
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