え、あれれ? 今回は3時間たっぷり演奏しますと喧伝されており、それは前回(2006日11月21日。他に、前身のアット・ザ・ドライヴ・インからだと、2000年5月24日、2000年8月6日、2002年4月7日、2004年1月7日)のパフォーマンスのあり方を見れば超納得なわけで、めちゃ期待に胸を膨らませていったら、1時間40分しかやらないじゃないか。内容自体はもうしぶんない。でも3時間やると聞いていたので……。すげえと高揚しつつ、これからあと2時間半もある、まだ半分しか演奏は終わっていない、序盤でこれなんだからこれから一体どーなるの、とかいう心持ちで見ていたわけで、サンキューと言ってステージを去り、場内照明がついたときには、拍子抜けしてしまいましたよ。ライヴ・リポートも頼まれていたし、飲み過ぎるとまずいしなとか思って、3杯しか買ってない。それだったら、セーヴせずにごんごん飲んだのに。2時間半やった、会場もあったということだが。

 繰り返すが、演奏内容自体は珠玉。あっぱれ。前回の模様と比較するなら、奏者のチェンジはあったかもしれないが、まったく同じ8人編成(うち、二人はアフリカン。残りも、ラテン的な名前を持つ)による。その編成を活かした流動的パフォーマンス指針は不変。ながら、曲数は倍以上になっていて(ほとんど、切れ目なしに送り出される)、前より少しロック様式に戻ったと感じさせるところはあったか。彼らを見て、レッド・ツェッペリンを想起したのは、今回が初めてだ。そのぶん、ヴォーカルのセドリック(アフロな髪が伸びて、オールド・ロッカーみたいなそれに)の出番は増すとともに、彼の声がよく出ていたのが印象的。強靭なサウンドに比しセドリックの喉はいまいち弱いとするファンは少なくないと思われる(でも、ぼくはあの佇まいだけで許せるところがある)が、アット・ザ・ドライヴ・イン時代を含め、ぼくが過去に見た彼らのショウのなかでもっとも彼は声が出ていたじゃないかな。いいぞ、セドリック! 新木場・スタジオコースト。

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