南青山・ブルーノート東京(セカンド・ショウ)。昨年とかも来日しているけど、このベイ・エリア・ファンク(イースト・ベイ・ファンク)の巧者たちをぼくが見るのは04年以来(1999年11月4日、2002年8月11日、2004年1月19日)。そんときもフル・ハウスだったけど、やっぱファンが熱烈だワ。場内にタワーの曲が流れるなかメンバーが登場すると、すぐに半数以上の人たちが立ち上がり、うぉーって感じで熱く迎える。ぼくがここで見た中で、一番客が燃えてる迎えられ方かも。

 彼らは、ちょうど今年結成40年となる。が、とっても張りがあり、気持ちもあるパフォーマンス。前回より、もっともっと生気があり、充実している。たとえば、前回見たときだと好きじゃないタイプの曲をやられると少しダレる気分をぼくは得たが、この日の場合は聞かせきってしまう力がしかとあった。リーダーのテナー奏者のエミリオ・カスティロの声にも張りがあるし、管楽器奏者たちのフリなんかも前よりアトラクティヴになっているような。で、ホーン隊音の重なりには、やはりパブロフの犬。もちろん、新しいネタは何も出していないが、自分たちが築いた黄金のヴァリエイションを嬉々として、質量感たっぷりに送り出す様には望外の手応えと喜びを感じてしまったな。

 で、そういうのに触れながらぼくが感じたのは、やはりバンドは受け手が作るもの、ということ。あれだけ熱くも親身な反応を受けたら、そりゃ本人たちも気張るだろうて、もっと自分たちの表現を磨きたくなるだろうて……。ここには、理想的な送り手と受け手の相互関係があったかも。

 アンコールが終わって、場内にすぐに流されたのは(やはり、ベイエリアが送り出した)スライ&ザ・ファミリー・ストーンの柔和カヴァー曲「ケ・セラ・セラ」。すうっと高揚が無理なく融けて行き、素敵な余韻が宙に漂うのを見事に助ける。それ、素晴らしい選曲でした。(以下、翌日に続く)

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