カーリン・アリソン
2008年3月8日 米国中部生まれでいろいろ動いた末、現在はNYに住むジャズ・シンガー。そんな彼女が92年、初めて契約を交わしたレコード会社がコンコード。そのとき同社はカリフォルニア州コンコード市で中古車販売業を営んでいた創立者のカール・E・ジェファーソンがまだ仕切っており、73年設立の同社は和みのウェストコースト・ジャズとジャズ・ヴォーカルを主に送り出す、コンサヴァなジャズ専門レーベルだったわけだ。社名もコンコードではなく、コンコード・ジャズだった。が、時は経ち(ジェファーソンは95年になくなった)、スタックスを含むファンタジー音源を持つのは別としても、今やオゾマトリやレイ・チャールズ(亡くなったので、1枚だけだったが)やハイパー路線にあるセルジオ・メンデスを抱え(唐突に、シェルター・レコードやEC表現を支えたジェイミー・オールデイカーのタルサ愛爆発のどすこいロック盤を出したこともあった)、傍系レーベルの方ではポール・マッカートニーやジョニ・ミッチェルとも契約しちゃうイケイケ企業になっちゃうなんて、夢にも思わなかった。もしかして、現在のコンコードの大変身〜隆盛は音楽業界にまつわる数奇なストーリーのけっこう上位に位置するものじゃないか。なお、日本では同社の旧流儀を持ち上げる大きめの公演が毎年、ぼくから150万円ぐらいふんだくり(そのぐらい、ワープロやPCを何台も買っている。ここ10年はマックを使っているが)かなり悲しい思いをさせた富士通の冠とともに行われている。オレ、それに一度も行ったことがないが、それは親指シフトの恨みがあるからかもしれない。
ともあれ、体制が変わっても、彼女はずっとコンコードの契約アーティストとしてあり続け(この世知辛い状況のなか、幸せな人ですね。本人もそれは認めるところのようだけど)、今や同社を代表する、ハイ・プライオリティなジャズ歌手にまでなっているわけだ。南青山・ブルーノート東京。セカンド・ショウ。
らしい白人の、アコースティック・ギター奏者(奏法はとても幅広い)とウッド・ベース奏者を従えてのパフォーマンス。ジョン・コルトレーンの『バラード』絡み楽曲をうたった盤、少女時代に愛好したシンガー・ソングライターの曲でかためたポップ曲集、ヴォーカリーズ(楽器によるテーマ/ソロに歌詞をつけて歌う事)を聞かせようとしたものなど、けっこうディレクションをしぼった(原稿を書きやすいとも言えるか)アルバムを出しているだけあって、いろんな側面を出していたはず……。
お膳立てとしては、ギターとベースをバックに歌う場合と、自分もピアノを弾いてトリオ音のもと歌う場合の二つ。前者の場合、いろんな曲調をやるのだが、けっこうブルージィな色調の曲が合う人であるのを初めて認知。また、新作はブラジル曲集だけに、ブラジルものも3曲披露する。その際、彼女はシェイカーをしゃかしゃか振る。どういうタイプの曲にせよ、スキャットするのは大好きなようで要所でいろいろ噛ましていたな。それから、ピアノを弾きながら歌うほう、ぼくはもう少しそちらの比率を上げていいと思った。主にしっとり目の曲をやるのだが、瑞々しい親しみやすさ、明快さ、艶っぽさが出てきて、素直にいいナと思えたもの。ビリー・ジョエルの「ニューヨーク・ステイト・オブ・マインド」をやっても違和感ないと思えたし、ときにノラ・ジョーンズみたいな味も持つんだなと感じた局面もありました。関係ないけど、彼女の初来日は学生のとき、静岡にきたらしい。
ともあれ、体制が変わっても、彼女はずっとコンコードの契約アーティストとしてあり続け(この世知辛い状況のなか、幸せな人ですね。本人もそれは認めるところのようだけど)、今や同社を代表する、ハイ・プライオリティなジャズ歌手にまでなっているわけだ。南青山・ブルーノート東京。セカンド・ショウ。
らしい白人の、アコースティック・ギター奏者(奏法はとても幅広い)とウッド・ベース奏者を従えてのパフォーマンス。ジョン・コルトレーンの『バラード』絡み楽曲をうたった盤、少女時代に愛好したシンガー・ソングライターの曲でかためたポップ曲集、ヴォーカリーズ(楽器によるテーマ/ソロに歌詞をつけて歌う事)を聞かせようとしたものなど、けっこうディレクションをしぼった(原稿を書きやすいとも言えるか)アルバムを出しているだけあって、いろんな側面を出していたはず……。
お膳立てとしては、ギターとベースをバックに歌う場合と、自分もピアノを弾いてトリオ音のもと歌う場合の二つ。前者の場合、いろんな曲調をやるのだが、けっこうブルージィな色調の曲が合う人であるのを初めて認知。また、新作はブラジル曲集だけに、ブラジルものも3曲披露する。その際、彼女はシェイカーをしゃかしゃか振る。どういうタイプの曲にせよ、スキャットするのは大好きなようで要所でいろいろ噛ましていたな。それから、ピアノを弾きながら歌うほう、ぼくはもう少しそちらの比率を上げていいと思った。主にしっとり目の曲をやるのだが、瑞々しい親しみやすさ、明快さ、艶っぽさが出てきて、素直にいいナと思えたもの。ビリー・ジョエルの「ニューヨーク・ステイト・オブ・マインド」をやっても違和感ないと思えたし、ときにノラ・ジョーンズみたいな味も持つんだなと感じた局面もありました。関係ないけど、彼女の初来日は学生のとき、静岡にきたらしい。
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