とっても壮絶なパフォーマンス。今年のジャズNo.1の公演かもしれぬ。南
青山・ブルーノート東京、ファースト・ショウ。彼(05年3月16日)は来年2
月に二管を擁する新カルテット(スティーヴ・コールマンやグレッグ・オズ
ビーなんかと絡みを持つ若手たちが中心)による『アヴァター』(大傑作。
もう、これぞ冒険心と美意識に富んだジャズだと太鼓判を押す)をリリース
するが、まったく同じ編成のもと今回やってきた。で、偉そうな書き方にな
るがジャズ・ビギナーだったら難解の一言で終わってしまうような、高級ワ
インならぬ高級ジャズを真摯に展開。ジャズという表現は創造性や技巧を追
求しようとすると、どうしても明解さ/親しみやすさの先にある大地を進ま
ざるを得ないという確信を持たせる演奏だったとも書きたくなるな。
 
 実は昨日(というか今日になるか)、朝までしこたま飲んでお酒が抜けき
らないまま会場入りしたのだが、その情報量のヘヴィさや演奏の純度の高さ
のため、途中ムカムカ気持ち悪くなってきてしまった。おお、凄いゾ、ルバ
ルカバ。かつて、ぼくは彼のことを嫌いだった(だって、音楽ではなく曲芸
をやっていたところがあったもの)が、完全に悪い印象が払拭。今の彼のワ
ーキング・グループはとんでもなく質と覇気を持つリアル・ジャズをやって
いる! 蛇足だが、キューバ出身の彼はイサック・デルガード(1999年10
月25日。同11月2日に追記)の新作にゲスト入りしているが、聞けば同じ時
期に米国にやって来たこともあり仲良しなのだとか。なんでも、デルガード
の米国盤初期2枚はルバルカバが音楽プロデュースをやっているそう。

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