岩本町・東京TUC。もうだいぶ前からあるジャズ専門ヴェニュー(HP
では、“陸の孤島にあるジャズの隠れ家”と記されている)という認識を持
つが、出演者がコンサバな人主体だったこともあり、ぼくはここに初めて来
る。東京ユニフォームという業務用衣料を作っている会社がそのビルの地下
に持つ施設。ライヴは不定期にやっているようで、普段は社員の和みサロン
かなんかに使われているのかなあ。               

 ECMと契約するギタリストにプラスし、リード、トランペット、ベース
、ドラムという布陣による。生ギターと電気ギターを弾き分けるヤングはカ
ーリン・クログ(2006年11月2日)とデュオ・アルバムを作っていて03年に
は一緒に来日したことがあるらしい。彼、人望はあるようで、今回のサイド
・マンはノルウェーの曲者/手練が集まっててかなり豪華。ドラマーはEC
M叩き上げのヨン・クリステンセン(レジェンダリーと言う事も出来るかも
しれないが、とっちゃん坊や的な風貌の人。飄々と叩いていた)だったり、
トランペッターのマティアス・アイク(トランペット)はヤガ・ヤシストや
モティーフのメンバーだったりとか。

 やった曲はどれもヤングのオリジナルなのかな。彼の爪弾くようなギター
演奏が下敷きになり、そこにサイドマンたちが広がりあるアンサブル音を加
え、随所でソロ(それほど延々と取らないが、それぞれに達者でした)が浮
かび上がるという感じの抑制された演奏を披露。ある種の美意識や見解が投
影されていると思わずにはいられない、室内楽的なもう一つのジャズ……。
だけど、生ならばもう少し燃え上がってほしいと思うところがぼくにはあっ
た。

 一応休憩が入ったが、両方合わせて1時間半ほどの演奏時間か。ハコの常
連客なのか、1部が終わるとなんじゃこれはという感じで席を立つ年配の方
が何人か。ジャズに限らぬが、同じ音楽ジャンルに属していても表現ヴァリ
エイションは様々ですね。

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