渋谷・クラブクアトロ。お馴染みニューオーリンズのブラス・バンド(20
02年7月30日、04年7月28日、他)だが、今回はいくつかあれれというか、
目新しい点も。まず、かなりヴォーカル・パートが増えていたことが段違い
。それはそれで、表現にすがりつきやすさを加えていた。また、ギタリスト
が白人(実は、前は彼がリード・ヴォーカルをとったりした)から、黒人へ
。この新ギタリスト、かなりブルースに負った弾き方をする人で、1曲はリ
ード・ヴォーカルを取りつつギター・ソロをとるブルース曲をぐびりと披露
する。まあ、見た目からして、前任者より可か。近作はハリケーン被災にか
けて『ホワッツ・ゴーイン・オン』を丸々カヴァーしていたわけだが、マー
ヴィン曲をやられるとじいーん。後半、オーセンティックなニューオリンズ
・ジャズ曲メドレーみたいなのも。それも、うれしくなる。

 ヴォーカルの比重が増えたのは管楽器音の脆弱化と裏返しのものとも言え
るかもしれない。今に始まったことではないが、85年のモントルーでの血沸
き上がるような筋骨隆々のライヴ音(ラウンダー発)なんか夢のように思え
るもの。あんときはドラム・セットもギターも入ってなかったのに。それに
関して冷静になれば、やばいぞと感じさせる局面もあり。リード・ヴォーカ
ルを取ることもあったトランペット奏者は最後のほうで2本のペットを加え
て吹いたりも。おおっ。リード(サックス類)でそれをやる人は知ってるけ
ど、唇をしっかりと当てなければならないトランペットでそういうことをや
る人は初めて。感心した。

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