E.S.T.。渋さ知らズ

2007年1月13日
 6時から渋谷・オーチャードホールでスウェーデンのジャズ・トリオ、E.
S.T.。寒空のもと、会場前はすごい列。空席もそれなりにあったE.S.T.公演
を見る人ではなく、もちろん向かいのエッシャー展を見ようとする人達なり
。1時間半待ちですと、案内人が言っていたっけ。へー休日とはいえ、エッ
シャーってそんなに人気があるの? そういう列に並ぶことを拒否/回避し
ないメンタリティを持っていたなら、ぼくの人生はだいぶ違っほうに行って
いるかもなあと、ふと思う。

 前にぼくがE.S.T.のことを見たのは初来日時の2003年6月17日だったの
で、4年近くぶりに見る。彼らは04年と05年にも来ているはずだが、日本に
いなかったり外せない用事があったりして、見ることができなった。その間
の彼らはいくつかのプロダクツを出しているわけだが(ぼくもCDとDVD
の解説を書いているなあ)、基本的に<リアルなピアノ・ジャズ・トリオ表
現>と<今ならではの音響処理やビートの感覚>の効果的なかみ合わせとい
うのは、後者の項目はその比率が減じられつつも維持されてきたわけだ。

 やはり、質の高いの高い、魅力的なピアノ・トリオ。電気処理音が少なく
なったぶん、旧来のジャズ文脈にはあまりないメロディや曲構成で彼ららし
さを出そうとしているところがあると、今回ぼくは感じたが。いくつかの美
意識に富んだ曲を聞きながら、3人はシガー・ロス(2003年4月14日、20
06年4月5日)を知っているだろうか、なんて思ったりも。
  
 約1時間のセットを二つ。プラスして、アンコール。純朴そうな本人たち
は普段着で演奏していたが、ステージ美術が格調高く、綺麗。

 そして、近くのO・イーストでやっている(横のデュオの前あたり、混ん
でいたが、何をやっていたんだろ?)レコ発をフォロウする渋さ知らズ公演
を覗く。こっちのほうが開演時間が遅かったのと丸3時間パーフォーマンス
したお陰で、「ウィ・アー・フィッシャーマンズ・バンド」以降のアゲアゲ
の部分をばっちり楽しんだ。ステージからは小さな出道がちょい出ていて、
ダンサーの数も多い。音の暴れ具合と比例するように演奏者たち(お酒を回
し飲みしてたりしてたな)がいろいろ前に出てきたり、なによりあんな元気
そうに振る舞う不破大輔は初めて見るような。奔放、壊れ気味。なかなかに
新鮮でした。

コメント