目黒・ブルースアレイ。ディーヴァ・グレイは70年代中期ぐらいからNY
のシーンで活躍している、バックグランド・ヴォーカルのスペシャリスト。
現在、渋谷の学校で歌を教えるために滞日中なのだとか。で、この晩はその
百戦錬磨のその喉を思う存分に披露してもらいましょうという出し物(オー
ガナイズは吉岡正晴さん)。バック・バンドも現在は日本に住むアメリカ出
身者が主体になるもので6人編成、それに二人の女性コーラス。

 故ルーサー・ヴァンドロスと一緒にバック・コーラスを付けたシックのも
ろもろのヒット曲をはじめ、ジョージ・ベンソン、チェンジ、ナタリー・コ
ール、BBQバンド、セリーヌ・ディイオン&R・ケリーなど、歌われる曲
はすべて彼女がオリジナル・レコーディングに参加したもの。また、ディー
ヴァ・グレイ&オイスターという名前で出した自己作からも歌う。さらに、
スティーリー・ダンの「バビロン・シスターズ」も! なるほど、実はトー
キング・ヘッズ、デイヴィッド・ボウイ、スクリッティ・ポリッティなど、
ロック系レコーディング参加が多い人とうイメージをぼくは彼女に持つ。そ
んな事実は実演を聞いても、なんとなく納得させられるか。こってりギトギ
トだけでない、洗練やまろみを彼女は持っており、だからこそ洒脱都会派を
目指したシック(その後のプロデュース仕事にも表れていたように、彼らは
ロック派でもありましたよね)からも望まれる人材であったし、ロック系や
デイヴィッド・サンボーンやマーカス・ミラーをはじめフュージョン系セッ
ションからもひっぱりだこになったのだナと……。
         
 2部構成で、計2時間を超えるパフォーマンス。お客の反応もすごいもの
で、送る側の気持ちと受け取る側の気持ちがとってもいい感じで交錯。いろ
んな意味で、暖かく、熱い。両者を繋いでいたのは、ソウルという表現が積
み重ねてきたフィーリングやストーリーを愛でる気持ちであったはず。

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