サード・ワールド

2006年8月3日
 アイランド・レコードからおくりだされて、一時はもっともインターナ
ショナルなレゲエ・バンドでもあった(今回の来日は、大々的な欧州ツアー
のあとのものらしい)サード・ワールドのことは、大昔(84年ごろかな。
誰に誘われて行ったんだろ?)中野サンプラザで見て以来。グループを結成
して、すでに30年越え。ヴォーカル、ギター、ベース、キーボード2(内ひと
りは非常に外様っぽい)、ドラムという布陣にて、うちオリジナル・メンバ
ーはキャット・クーアだけのよう。彼、あんまし老けている感じなかったな
ー。

 バンド音が出たとたんドキドキっ、来て良かったァと確信(一発で、この
ハコの音の良さも再認識)。切れがある、重みがある、力がある。68年以降
NYに住んでいるらしいリード・シンガー(彼、インナー・サークルにいた
ことがあって、そのときサード・ワールドを組む前のキャット・クーアもメ
ンバーだったらしい)の声もよい。ギター・ソロ(彼はアンコールで、エレ
クトリック・チェロでマーリー曲を演奏)、ベース・ソロ、ドラマーのパー
カッション・ソロは生理的に“観光地的”と思わせ、全体の塊感を削ぐもの
ではあったけど。

 彼らを熱心に聞いたのは、アイランド在籍時の初期3枚のみ。濃ゆーいバ
ンドの質量感には目をみはりつつ、マイナー・キー基調の曲があまり好みで
はなく、どんどん洗練スウィート指向(だからこそ、スティーヴィ・ワンダ
ーと共演したりもしたわけだ)になっていくにつれ、疎遠になった人たちでは
あったが、実演は確か。レゲエという項目を抜きにしても、彼ら聞きどころ
あるロッキン・ソウルをやっていたと思う。いや、ラスタなロッキン・ソウ
ルと書いたほうが適切かもしれないが。丸の内・コットンクラブ(ファース
ト)。


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