女性アーティストを集めた公演。春にP−ヴァインからアルバムを出した
万波麻希しか、事前に音は聞いていない。表参道・EATS and MEATS
Cay 。店名が少し変わったが、内装も新たになっていた。店内の壁という壁
に書かれていた出演者たちのサインはすべて消されていた。

 木下ときわ はボサノヴァ系楽曲をすうっと歌うシンガー。ガット・ギタ
ー奏者とハーモニカ奏者をバックに置く。オリジナルとブラジル曲カヴァー
の2系統でやっているのかな。MCの声が小さくて聞き取れなくて困った。
サポートのハーモニカ奏者がなかなか表現豊かで耳奪われる。そこそこ若い
ようにも見えたが、知られた奏者なんだろうか。50分ぐらいやったかな。

 2番目は、野崎美波。ピアノを弾く本人に加え、女性チェロ奏者、ガット
・ギター奏者、フルート奏者の計4人で表現にあたる。全員譜面を前にしな
がらの演奏。基本的には瀟洒な室内楽的演奏を展開。クラシックの素養は活
かされているだろうが、上品ではあってもそんなに型苦しくはない。曲によ
ってはボサ色が強いラウンジ・ミュージックみたいな行き方をするものも。
その場合は、野崎はスキャットも聞かせる。あと、ピアソラの先進性をや
んわりとデフォルメしているように感じる曲もやったな。1時間ぐらいは、
平気でやったはず。半年ぶりのライヴと言っていたが、NHKの土曜のドラ
マの音楽も担当しているみたい。

 そして、万波麻希。往年のスピリチュアル・ジャズとちょいクラブ・ジャ
ズとエスノ・ミュージックがくっついたような表現を鋭意やる人。ピアノを
弾き歌う彼女に加え、ベース(通常の電気と電気アップライトの両刀)、ト
ランペット、ドラム、パーカッション奏者による。アルバムはほとんど一人
で作ったということだが(でも、過剰に打ち込みっぽくはない)、違和感な
くバンド表現に移していたのではないか。身体は華奢だが、声もでかいし、
ピアノのタッチも強い(まあ、PAの使い方もあるだろうけど)。MCの声
も大きくていいのだが、ちょい喋りすぎ。ガサツなところもあるが、勢いや
迸りや、私はワタシという意思は強く出ていて、ぼくは感心した。が、10時
に知り合いと合流することになっていて(こんなにゆったりやるとは思わな
かった。6時スタートなので、9時くらいには全部おわると思ったよォ)、
前半のほうしか見れず。でも、触れるべきものがある人であるのはよ〜く実
感できました。
   
  

コメント