アラン・トゥーサン&エルヴィス・コステロ。中島美嘉
2006年5月31日 コステロとトゥーサンの共演アルバム『ザ・リヴァー・イン・リヴァース
』発売を受けてのショーケース・ライヴが、昼さがりに品川・キリスト品川
教会のグロリア・チャペルで開かれた。
まず、トゥーサンを迎えたシングルを米国で作った中島美嘉が出てきて、
シングル収録の2曲をトゥーサンとともにパフォーマンス。自分のバンド(
なのかな?)に20人のゴスペル・クワイア(うち、8人ぐらいは外国人)、
そして御大のピアノ。へえ、中島美嘉って細い小さな人なんだな。ニューオ
リンズ的アクセントを採用したメインの曲と、自分化しての(ルイ・アーム
ストロングの当たり歌である)「ホワット・ア・ワンダフル・ワールド」。
なんにせよ、トゥーサンはさすがの指裁き。嬉しそうにピアノを弾く。中島
美嘉のことをもっと知りたいと思った。
そして、トゥーサンとコステロのセットとなる。ところで……。
かつて熱心にニューオリンズ・ファンク/セカンド・ライン物を追ったぼ
くにとって、トゥーサンは最大級に土下座の存在だ。一方、コステロは土下
座しようと思ったことはないものの、ずっと気にかけているロッカーである
。でも、『ザ・リヴァー・イン・リヴァース』は出来が悪いと、言わざるを
えない。過去に二人の邂逅/共同作業の積み重ねがあろうとなかろうと、ハ
リケーンが来ようと来まいと(カトリーナ・ハリケーンは私の最良のプロモ
ーターというような、あっけらかんとした物言いをトゥーサンはしていたな
)。というのも、ぼくの耳にはあのアルバムでの二人のかみ合わせは水と油
の関係にしか聞こえないのだ。それもこれも、あまりにコステロのヴォーカ
ルが固すぎるため。それ、軽妙洒脱で、グルーヴィなトゥサーンの曲やピア
ノとぜんぜん合わない。あれを聞いて、ぼくは黒っぽい楽曲を歌えるヴァン
・モリソンがいかに偉大なシンガーかも、痛感させられた……。ショージキ
、2度とこんなアルバム、聞けないナとぼくは判断をくだした。なら、ライ
ヴに行かなきゃいいぢゃん。そう、ムカつく人もいるだろう。だが、生でや
るというなら、そりゃチェックはしたくなる。いや、ぼくはトゥーサンを見
たくて行った。だから、彼の指裁きが見えるところにぼくは座った。
和気あいあいとした感じで、デュオのパフォーマンスがスタート。コステ
ロは基本的にはトゥーサンのピアノに合わせて歌い、たまに生ギターを持っ
たときも。やはり、コステロの声はR&B/ファンクを歌っちゃいけない声
質だとはしっかり思った。声量や存在感はあるが、伸びやかじゃない、しなや
かじゃない、艶っぽくもない。だけど、生で聞いたほうが違和感がないのは
確か。オープナーからステージ下におりて観客に歌わせようとしたりとか、
コステロの本気ぐあいもプラスに働いたか。オフ・マイクで一生懸命、歌っ
たりとか。ほんと、この人はなんでも全力投球なんだな。
しかし、ちょっとトゥーサンが歌ったりすると、もうコステロ歌うな、横
で黙って立ってろと言いたくなったのも事実。トゥーサンは68歳という年齢
より若く見えたし、元気そう。完全なソロ・アルバム作ってほしいな。少し
前に、ネットで偶然トゥーサンのお気に入りアルバム10枚みたいのを見て、
けっこうヤワなセレクションでへえと思ったけど。
パフォーマンス後に、二人への質疑応答タイムも。このときもコステロは
ちゃんと答えていたな。感心かんしん。それで終わるはずだったようだが、
二人は予定外のパフォーマンスをまた始める。それが3曲で、全部で11曲。
アルバムに収録されていない曲もやった。聞けば、両者は来週から、ホーン
・セクションなども従えた編成でアメリカのツアーに出るのだという。なら
、この日のギグはいい練習にもなるし、レパートリーはいくらでもあるだろ
う。
コステロの歌への不満を差し引いても、いい出し物だっと思う。クローズ
ドな催しであり、なるべく自慢げに書くのは避けようと思ってこの項の文章
を書いているが、この日の実演は中野サンプラザあたりで行われるべき質や
重さをもっていたと思う。
』発売を受けてのショーケース・ライヴが、昼さがりに品川・キリスト品川
教会のグロリア・チャペルで開かれた。
まず、トゥーサンを迎えたシングルを米国で作った中島美嘉が出てきて、
シングル収録の2曲をトゥーサンとともにパフォーマンス。自分のバンド(
なのかな?)に20人のゴスペル・クワイア(うち、8人ぐらいは外国人)、
そして御大のピアノ。へえ、中島美嘉って細い小さな人なんだな。ニューオ
リンズ的アクセントを採用したメインの曲と、自分化しての(ルイ・アーム
ストロングの当たり歌である)「ホワット・ア・ワンダフル・ワールド」。
なんにせよ、トゥーサンはさすがの指裁き。嬉しそうにピアノを弾く。中島
美嘉のことをもっと知りたいと思った。
そして、トゥーサンとコステロのセットとなる。ところで……。
かつて熱心にニューオリンズ・ファンク/セカンド・ライン物を追ったぼ
くにとって、トゥーサンは最大級に土下座の存在だ。一方、コステロは土下
座しようと思ったことはないものの、ずっと気にかけているロッカーである
。でも、『ザ・リヴァー・イン・リヴァース』は出来が悪いと、言わざるを
えない。過去に二人の邂逅/共同作業の積み重ねがあろうとなかろうと、ハ
リケーンが来ようと来まいと(カトリーナ・ハリケーンは私の最良のプロモ
ーターというような、あっけらかんとした物言いをトゥーサンはしていたな
)。というのも、ぼくの耳にはあのアルバムでの二人のかみ合わせは水と油
の関係にしか聞こえないのだ。それもこれも、あまりにコステロのヴォーカ
ルが固すぎるため。それ、軽妙洒脱で、グルーヴィなトゥサーンの曲やピア
ノとぜんぜん合わない。あれを聞いて、ぼくは黒っぽい楽曲を歌えるヴァン
・モリソンがいかに偉大なシンガーかも、痛感させられた……。ショージキ
、2度とこんなアルバム、聞けないナとぼくは判断をくだした。なら、ライ
ヴに行かなきゃいいぢゃん。そう、ムカつく人もいるだろう。だが、生でや
るというなら、そりゃチェックはしたくなる。いや、ぼくはトゥーサンを見
たくて行った。だから、彼の指裁きが見えるところにぼくは座った。
和気あいあいとした感じで、デュオのパフォーマンスがスタート。コステ
ロは基本的にはトゥーサンのピアノに合わせて歌い、たまに生ギターを持っ
たときも。やはり、コステロの声はR&B/ファンクを歌っちゃいけない声
質だとはしっかり思った。声量や存在感はあるが、伸びやかじゃない、しなや
かじゃない、艶っぽくもない。だけど、生で聞いたほうが違和感がないのは
確か。オープナーからステージ下におりて観客に歌わせようとしたりとか、
コステロの本気ぐあいもプラスに働いたか。オフ・マイクで一生懸命、歌っ
たりとか。ほんと、この人はなんでも全力投球なんだな。
しかし、ちょっとトゥーサンが歌ったりすると、もうコステロ歌うな、横
で黙って立ってろと言いたくなったのも事実。トゥーサンは68歳という年齢
より若く見えたし、元気そう。完全なソロ・アルバム作ってほしいな。少し
前に、ネットで偶然トゥーサンのお気に入りアルバム10枚みたいのを見て、
けっこうヤワなセレクションでへえと思ったけど。
パフォーマンス後に、二人への質疑応答タイムも。このときもコステロは
ちゃんと答えていたな。感心かんしん。それで終わるはずだったようだが、
二人は予定外のパフォーマンスをまた始める。それが3曲で、全部で11曲。
アルバムに収録されていない曲もやった。聞けば、両者は来週から、ホーン
・セクションなども従えた編成でアメリカのツアーに出るのだという。なら
、この日のギグはいい練習にもなるし、レパートリーはいくらでもあるだろ
う。
コステロの歌への不満を差し引いても、いい出し物だっと思う。クローズ
ドな催しであり、なるべく自慢げに書くのは避けようと思ってこの項の文章
を書いているが、この日の実演は中野サンプラザあたりで行われるべき質や
重さをもっていたと思う。
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