<ラブレター フロム 彼方(ラブかな)>という集団が企画した、“JA
ZZ TODAY in Komaba2005" という6日間に渡る無料イヴェントのなか
の1日を駒場・東京大学駒場小空間(それなりの大きさのホール)で見る。こ
の日は、" フォー・デレク・ベイリー" と題されたもの。

 まず、アンダース・エドストロームという写真家としてのほうが知られるら
しい人物のベイリーのドキュメンタリー映画『one plus one2 』が上映される
。UKフリー・ジャズ・ギターの巨匠(2月23日の項、参照)の晩年のどって
ことない日常を緊張感のないカメラで描いたもの。自分のライヴの録音物を聞
き直したり(それを隣の部屋からぼんやり写す)、電話に出たり、公園を散歩
したり、奥さんらしき人とご飯を食べているシーンもちょい出てきたか。TV
でクリケット中継を見ているところもあったが、さすが英国人。で、やはり一
番興味深いのは部屋でギターをそれ風に弾いているシーン。へーえ。まあ、全
体としてはぼくにとってはよく分からない仕上がりではあるが、御大の普通の
時間を垣間見れることは確か。

 その後、3人のミュージシャンがソロにて1曲づつ演奏。

 まず、COMBOPIANO/渡辺琢磨はピアノとシンセを用いての演奏
。やはり、二つの楽器の合わせ味は独自にし、存在価値あり。ピアノ・ソロ部
分はキース・ジャレットの『フェイシング・ユー』のころのソロ演奏を思い出
させる。続いて、大友良英。右手に持つスライド・バーを多用したりもする、
彼にとっては正調(?)の轟音狼藉演奏。

 そして、ジム・オルーク。大友と同様、セミアコを手にしての演奏ながら、
こちらはほとんど非アンプリファイドな音も局面的には用いたりもし、メロデ
ィアスにベイリーへの思いを綴っていくという感じの演奏。一人で淡々と30分
ぐらいは平気でやってのではないのか。なんか、見直した。

 無料だと人が集まるんですね、と大友が言っていたが、確かに超満員。であ
るとともに、確かにこれが無料とは素晴らしい。三者の演奏のあと、トークも
あったようだ。
     

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