渋谷・J’Zブラット、セカンド。ドラマーと3人の女性シンガーを従え
てのパフォーマンス。本人はグランド・ピアノ、ローズ、コルグのシンセ、
リズム・パッド、コントローラー他をいろいろと操り、全体表現をリードし
ていく。
 
 ちゃんとジャズの素養を持ったうえで、開かれた視点と現代的感覚を投影
しようとするクラブ・ジャズ+アルファを作るろうとする人物……。+アル
ファの部分は3人のシンガーを連れてきていることでも分かるように、肉声
の多彩な使い方か。随所に既知感を覚える部分もあるのだが、自由なスタン
スで自分の音楽を作ろうとしている様はよく伝わる。ちょっとロバート・カ
ルカセース(2005年11月4日)と似た部分を感じたりもしたかな。1時
間半ぐらいの演奏が終わると、十分な活躍後に途中交代のためグラウンドを
出るサッカー選手のように、自らのパフォーマンスやそれを声援した観客に
感謝するかのように彼も拍手。かなり達成感あり、だったよう。そういうの
は、見ていて気持ちがいい。

 ニュージーランド人だけど、半分は日本人の血が入っていて、日本語も達
者な、クレヴァーな人。90年代後半にインタヴューしたことがあるが、いろ
んな音楽を聞いていてそれを饒舌に語り、評論家っぽい体質も持つ人だと感
じたことがあった。同国のビッグ・スターでNYで暮らすビック・ルンガが
ニュージーランドはああいう場所にあるので成人になると一度は外に出るの
が普通、というようなことを言っていたことがあったが、彼もNYや
東京などいろんなところに住んだことがあり、ここのところは何年もずっと
ロンドンに住んでいる。ところでマークさん、かなり見事な禿具合でびっく
り。まだ30才ちょいのはずだが。


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