プリンスやニール・ヤングのことを、その2分の一(というよりは、1分
の1だな。パフォーマンスを見ると、全ての美点は彼がもたらしているのが
よく分るもの)のジャック・ホワイトを見ながら思い出すとは。青海・ゼッ
プ東京。

 新作『ゲット・ビハインド・ミー・サタン』でガレージ・ロックのりから
離れた“賢人イマジネイティヴ路線”を提示していた彼らだが、実演は基本
的にはこれまで通り(2003年10月21日)の乱暴イビツ路線を展開。なが
ら、ホワイトは曲によってはキーボードやマリンバを弾きながら歌ったたり
もし、線の太さや歌心の濃さなどは比較にならないほど向上。酔狂さや奇妙
なエンターテインメント性(楽器の色から、ローディの恰好まで、あいかわ
らずイメージ戦略を徹底させている)は持つものの、紛い物感覚はかなり後
退し、まっとうな存在性が前面に出ていたのに少し驚くとともに、感心。今
回のパフォーマンスは非常にその意義を感じた。頼まれている公演評と重な
るといけないので、ここでは簡素に書いておく。

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