フジ・ロック・フェスティヴァル05
2005年7月30日 しっかりご飯を食べ、今日からけっこうな雨になるという情報なので入念に
身支度をしようとしたら、ん? あれれ、(カッパやタオルを入れて持ち歩い
ている)バッグが見当たらない。折り畳み椅子も同様に。実は昨日飲んでて、
いつのまにかまったりと東京で飲んでるような気持ちになっちゃって会場にそ
れらを置き忘れ、焼酎はいった紙コップ片手にホテルに知人たち(誰も指摘し
てくれな〜い)と戻ってしまったんだよなあ。いやあ、昨晩はそんなに気を許
してしまっていたか。ぼく、東京でもまず飲んでも忘れ物しない人なのに(と
いうか、本当にかったるいのでぼくは荷物を手にしない。親しい人なら、普段
ぼくが本当に手ぶらで行動するのを知っているはずだ)。で、急いで会場に向
かいオアシスのテントの裏に行ったら、しっかりとあった。さすが、世界一安
全なフェス? ロス・ロボスのグリーン朝一ステージは彼らが飛行機に乗り遅
れてなしになったし、雨対策の重装備をするため、一度ホテルに戻る。
案の定、昼過ぎから大雨に。夕方あたりと深夜はやんでいたが、日中は基本
的に相当な降雨の一日。2時すぎからのビル・ラズウェルのプラク
シスの演奏(レッド・マーキー)からちゃんと見る。ベース、ドラム、トラン
ペット、DJという、重量級インプロ・セッション。
ところでフジ・ロックの場合、ぼくは<レッド・マーキー(オアシス)とグ
リーン>、奥にある<ホワイトとフィールド・オブ・ヘヴンとオレンジ・コー
ト(とジプシー・アヴァロン)>というふうに区分けをしている。やはり、グ
リーンとホワイトの間は距離がありすぎ。一度、ホワイトのほうに行ってしま
うとなかなか戻る気にはなれない……。
で、4時少し前ぐらいからはずっと<奥>でうだうだ。クリス・マーレー・
コンボ(ただ、ちんたらやっているような……)、ザ・カリフォルニア・ギタ
ー・トリオ(ぼくにとっては不毛。イエスの曲、カヴァーしてたな)、アンプ
・フィドラー(2004年9月25日のブルーノート東京のときと異なり、本人
を含め3人による簡素なパフォーマンス。すると、ダニー・ハサウェイ的な持
ち味が強調されたものになり、それはそれで興味深いし、いい味を出していた
はず)、セネガルのザ・ピース・イン・ラヴ・パーカッション(けっこう観光
地的でもある、打楽器&パフォーマンス・チーム。火の扱いや踊りなどで客を
沸かせる)、ライトニング・ブルース・ギター・セッション(パパ・グロウズ
・ファンク:2004年3月30日に、日本人がいろいろと絡むセッション。た
だの駄目おやじロックになっていた部分も)、マイ・モーニング・ジャケット
(最初にちょい見て、終盤をまたちょい見て。けっこう落差があった。意外に
派手という印象もあったか)、ギャング・オブ・フォー(切れ味あり、素晴ら
しかった。なんでも、やはり今年のフジ・ロックに出演していたエディ・リー
ダーはほんの少しギャング・オブ・フォーに入っていたことがあって、裏でメ
ンバーたちと熱い邂逅をしていたそうな)、エイドリアン・ブリュー(けっこ
う好きで期待したのだが、トリオによるプログレ・フュージョンみたいなグル
ープ・コンセプトがぼくにとっては駄目でした)などなどを齧る。
そして、頭のほう少しダイナソー・Jr(ホワイト)に触れてグリーンに行
く。娯楽DJミュージックの首領、ファット・ボーイ・スリムの出演。とにか
く、大衆の一員になり快楽的な馬鹿となることがとっても楽しみだった。運
良く3D仕様眼鏡もゲットでき、ニコっ。今回、ファットボーイ・スリムは
6月24日に出演した英グラストンバリーとこの晩のフジ・ロックのためにそれ
を製作。フジでは1万個配ったという。メガネを入手できなかったら、了見の
狭いぼくはムカつくので見るのは止めようと思っていたので、良かったよかっ
た。それ、紙製で薄紫色のセロファン・レンズつき。で、そこから光を見ると
カラフルなニコちゃんピースマークが浮き出るというもの(米国特許でテネシー
州で作られている)。それはステージの光だけでなく、あらゆる光(売店のラ
イトからも、それは浮き上がる)に反応する。つまり、このライヴ以外でも使
える。頭をグリグリ揺らすと、ニコちゃんマーク群も立体的にぐりぐり動く。
天候は降雨だけでなく、稲妻や雷を伴う。ひえ〜、避雷針とかあるのかなと少
し心配になる。途中から、レンズが濡れたりして、3D眼鏡なしで見る。それ
でも、十分楽しめたとは思うが。ただ、音は小さ目だったし、もっと映像と光
と音のあっと驚く効果的な組み合わせがあっても良かったかもしれない。でも
、本人が時々ヴィジョンに映ったりもし(それなりに臨機応変にお皿を回して
いたのかな?)、表現のブラック・ボックス化を避けていたのは良かった。あ
と、他愛なく“ラヴ&ピース”のメッセージを映像に折り込んでいたが、お茶
目なそれは背伸びしておらず、イヤミな感じはない。ロック・ミュージックの
メッセージのアピールって、このへんが丁度いい?
その途中、オレンジ・コートに行って部分的にロザリオス(2003年12月
8日、2005年28日)を見る。そのとき、ジミヘンやザッパを彷彿とさせる
ような演奏をやっていた。あと、ブラフマン(ホワイト)も出だしだけをちょ
っと。エスニックな要素満載の導入部にはちとびっくり。彼らに少し興味を持
った。
深夜は、オアシスにある苗場食堂(去年の項にも書いたが、ここの乱暴な仕
切りのライヴ、ぼくは好きです)で永井隆&ザ・ブルース・パワー。永井“ホ
トケ”隆(ヴォーカル、ギター)、浅野祥之(ギター)と沼澤尚(ドラム)か
らなる、ベースレス編成によるブルース・バンド。この面子でツアーもやって
いるらしく、後者の二人はJ&B(2004年7月22日)やアズ・ウィ・スピ
ーク(2004年2月21日)の同僚でもある。ホトケは半分以上空いた赤ワイン
のボトルを片手に登場。出来上がっている感じだが、そこはブルーズに献身し
て30年強。なんの問題もない。ぐっさりと、雑なライヴ環境のなかで(途中で
照明が消えたりもした)、エルモア・ジェイムズの「ダスト・マイブルーム」
ほか有名ブルーズ曲を披露する。ホトケは指でギターを弾き、浅野はときにス
ライド・バーを手にする。回りには偶然居合わせた客(外国人も多かった)が
集まり大盛り上がり、ブルースという巨大で抗しがたい何かを彼らはしっかり
と受け止めたのではないか。アンコールには山岸潤史(1999年8月5日、
2000年12月7日、2001年7月16日、2004年3月30日)も出てきた
。いろんな意味で生理的に美しい“音楽の光景”がそこにはあった。
最後に、場外のパレス・オブ・ワンダー内テントで、ビッグ・ウィリーズ・
バーレスクを見る。昨日もジプシー・アヴァロンでちょっと彼らのことを見た
んだけど、米国西海岸をベースとするらしいこの4人組(ドラム、フルート/
アルト、キーボード、ウッド・ベース)+1はなかなか面白い。ラウンジやク
ラブ・ミュージック的なフックをうまく取り込んだ、ジャズ・コンボ。ザ・バ
ッド・プラス(20045月13日)のドラムのような愛嬌あるスキン・ヘッド
のドラマーがリーダーで、ちゃんと基本を受け継ぎつつ、相当に下世話な娯楽
性を持ち込んだショウを展開する。なんせ、ときにマルティナというストリッ
パー(そんなに露出はしないけど)がダンサーとして加わって場を盛り上げ
ちゃうのだから。これは、相当に秀逸な色モノ・バンドであるとぼくは思っ
た。
身支度をしようとしたら、ん? あれれ、(カッパやタオルを入れて持ち歩い
ている)バッグが見当たらない。折り畳み椅子も同様に。実は昨日飲んでて、
いつのまにかまったりと東京で飲んでるような気持ちになっちゃって会場にそ
れらを置き忘れ、焼酎はいった紙コップ片手にホテルに知人たち(誰も指摘し
てくれな〜い)と戻ってしまったんだよなあ。いやあ、昨晩はそんなに気を許
してしまっていたか。ぼく、東京でもまず飲んでも忘れ物しない人なのに(と
いうか、本当にかったるいのでぼくは荷物を手にしない。親しい人なら、普段
ぼくが本当に手ぶらで行動するのを知っているはずだ)。で、急いで会場に向
かいオアシスのテントの裏に行ったら、しっかりとあった。さすが、世界一安
全なフェス? ロス・ロボスのグリーン朝一ステージは彼らが飛行機に乗り遅
れてなしになったし、雨対策の重装備をするため、一度ホテルに戻る。
案の定、昼過ぎから大雨に。夕方あたりと深夜はやんでいたが、日中は基本
的に相当な降雨の一日。2時すぎからのビル・ラズウェルのプラク
シスの演奏(レッド・マーキー)からちゃんと見る。ベース、ドラム、トラン
ペット、DJという、重量級インプロ・セッション。
ところでフジ・ロックの場合、ぼくは<レッド・マーキー(オアシス)とグ
リーン>、奥にある<ホワイトとフィールド・オブ・ヘヴンとオレンジ・コー
ト(とジプシー・アヴァロン)>というふうに区分けをしている。やはり、グ
リーンとホワイトの間は距離がありすぎ。一度、ホワイトのほうに行ってしま
うとなかなか戻る気にはなれない……。
で、4時少し前ぐらいからはずっと<奥>でうだうだ。クリス・マーレー・
コンボ(ただ、ちんたらやっているような……)、ザ・カリフォルニア・ギタ
ー・トリオ(ぼくにとっては不毛。イエスの曲、カヴァーしてたな)、アンプ
・フィドラー(2004年9月25日のブルーノート東京のときと異なり、本人
を含め3人による簡素なパフォーマンス。すると、ダニー・ハサウェイ的な持
ち味が強調されたものになり、それはそれで興味深いし、いい味を出していた
はず)、セネガルのザ・ピース・イン・ラヴ・パーカッション(けっこう観光
地的でもある、打楽器&パフォーマンス・チーム。火の扱いや踊りなどで客を
沸かせる)、ライトニング・ブルース・ギター・セッション(パパ・グロウズ
・ファンク:2004年3月30日に、日本人がいろいろと絡むセッション。た
だの駄目おやじロックになっていた部分も)、マイ・モーニング・ジャケット
(最初にちょい見て、終盤をまたちょい見て。けっこう落差があった。意外に
派手という印象もあったか)、ギャング・オブ・フォー(切れ味あり、素晴ら
しかった。なんでも、やはり今年のフジ・ロックに出演していたエディ・リー
ダーはほんの少しギャング・オブ・フォーに入っていたことがあって、裏でメ
ンバーたちと熱い邂逅をしていたそうな)、エイドリアン・ブリュー(けっこ
う好きで期待したのだが、トリオによるプログレ・フュージョンみたいなグル
ープ・コンセプトがぼくにとっては駄目でした)などなどを齧る。
そして、頭のほう少しダイナソー・Jr(ホワイト)に触れてグリーンに行
く。娯楽DJミュージックの首領、ファット・ボーイ・スリムの出演。とにか
く、大衆の一員になり快楽的な馬鹿となることがとっても楽しみだった。運
良く3D仕様眼鏡もゲットでき、ニコっ。今回、ファットボーイ・スリムは
6月24日に出演した英グラストンバリーとこの晩のフジ・ロックのためにそれ
を製作。フジでは1万個配ったという。メガネを入手できなかったら、了見の
狭いぼくはムカつくので見るのは止めようと思っていたので、良かったよかっ
た。それ、紙製で薄紫色のセロファン・レンズつき。で、そこから光を見ると
カラフルなニコちゃんピースマークが浮き出るというもの(米国特許でテネシー
州で作られている)。それはステージの光だけでなく、あらゆる光(売店のラ
イトからも、それは浮き上がる)に反応する。つまり、このライヴ以外でも使
える。頭をグリグリ揺らすと、ニコちゃんマーク群も立体的にぐりぐり動く。
天候は降雨だけでなく、稲妻や雷を伴う。ひえ〜、避雷針とかあるのかなと少
し心配になる。途中から、レンズが濡れたりして、3D眼鏡なしで見る。それ
でも、十分楽しめたとは思うが。ただ、音は小さ目だったし、もっと映像と光
と音のあっと驚く効果的な組み合わせがあっても良かったかもしれない。でも
、本人が時々ヴィジョンに映ったりもし(それなりに臨機応変にお皿を回して
いたのかな?)、表現のブラック・ボックス化を避けていたのは良かった。あ
と、他愛なく“ラヴ&ピース”のメッセージを映像に折り込んでいたが、お茶
目なそれは背伸びしておらず、イヤミな感じはない。ロック・ミュージックの
メッセージのアピールって、このへんが丁度いい?
その途中、オレンジ・コートに行って部分的にロザリオス(2003年12月
8日、2005年28日)を見る。そのとき、ジミヘンやザッパを彷彿とさせる
ような演奏をやっていた。あと、ブラフマン(ホワイト)も出だしだけをちょ
っと。エスニックな要素満載の導入部にはちとびっくり。彼らに少し興味を持
った。
深夜は、オアシスにある苗場食堂(去年の項にも書いたが、ここの乱暴な仕
切りのライヴ、ぼくは好きです)で永井隆&ザ・ブルース・パワー。永井“ホ
トケ”隆(ヴォーカル、ギター)、浅野祥之(ギター)と沼澤尚(ドラム)か
らなる、ベースレス編成によるブルース・バンド。この面子でツアーもやって
いるらしく、後者の二人はJ&B(2004年7月22日)やアズ・ウィ・スピ
ーク(2004年2月21日)の同僚でもある。ホトケは半分以上空いた赤ワイン
のボトルを片手に登場。出来上がっている感じだが、そこはブルーズに献身し
て30年強。なんの問題もない。ぐっさりと、雑なライヴ環境のなかで(途中で
照明が消えたりもした)、エルモア・ジェイムズの「ダスト・マイブルーム」
ほか有名ブルーズ曲を披露する。ホトケは指でギターを弾き、浅野はときにス
ライド・バーを手にする。回りには偶然居合わせた客(外国人も多かった)が
集まり大盛り上がり、ブルースという巨大で抗しがたい何かを彼らはしっかり
と受け止めたのではないか。アンコールには山岸潤史(1999年8月5日、
2000年12月7日、2001年7月16日、2004年3月30日)も出てきた
。いろんな意味で生理的に美しい“音楽の光景”がそこにはあった。
最後に、場外のパレス・オブ・ワンダー内テントで、ビッグ・ウィリーズ・
バーレスクを見る。昨日もジプシー・アヴァロンでちょっと彼らのことを見た
んだけど、米国西海岸をベースとするらしいこの4人組(ドラム、フルート/
アルト、キーボード、ウッド・ベース)+1はなかなか面白い。ラウンジやク
ラブ・ミュージック的なフックをうまく取り込んだ、ジャズ・コンボ。ザ・バ
ッド・プラス(20045月13日)のドラムのような愛嬌あるスキン・ヘッド
のドラマーがリーダーで、ちゃんと基本を受け継ぎつつ、相当に下世話な娯楽
性を持ち込んだショウを展開する。なんせ、ときにマルティナというストリッ
パー(そんなに露出はしないけど)がダンサーとして加わって場を盛り上げ
ちゃうのだから。これは、相当に秀逸な色モノ・バンドであるとぼくは思っ
た。
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