ポルトガルのファドのシンガー。やはり万博で来日したついでの、東京公
演。渋谷・デュオ・ミュージック・エクスチェンジ。日本公演は、昨年の6
月27日につづく。

 バッキング・バンドは前回とまったく同じ面々/編成。ただし、ステージ
の進め方はけっこう違う感じを与えるもの。この日は1部制で、歌詞の説明
をすることなく、パフォーマンスを進めていく。それ、今回は飲み物を提供
するくだけた場での公演というのが関係しているのか。実際、それなりに厳
粛なステージ運びだった前回と比べるとけっこう気安い娯楽性があったと書
けそう。とともに、前回よりかなり声が良く出ていた。オフ・マイク気味の
ときもそれなりに声が聞こえたし。

 今回取材したが、昔のものではなく、今のファドを作っているのだという
気持ちを彼女は強く持っている。新作ではメンバーが作った曲やブラジルの
曲などポルトガル語の楽曲(やはり、彼女もポルトガル語だからこそファド
になる、みたいな言い方はしていた)だけでなく、フランス語やスペイン語
や英語(ジョニ・ミッチェルの曲)の曲も歌っていたりする。ビリー・ホリ
デイ他のジャズなんかを聞いてて、最初にファドを歌ったのはオランダとい
う変テコな経歴を持つ人。なんと高校時代は英国の寄宿舎制の学校に通って
いたのだそう。え、そんなの日本のバイオにはどこにも書いてないですよと
返すと、だってそんなこと私の音楽性にはとなんら関係ないじゃない、とき
っぱり。

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