白色基調の風情のある譜面代がずらりと並べられ、そこに正装した人達が
やはり並ぶ。彼らがライトに綺麗に照らしだされる様だけで、なんかいいな
という軽い感慨を誘うか。

 ジャズ界最大のソング・ライター/バンド・リーダーの名前を関したオー
ケストラであり、ジャズが前線のポピュラー・ミュージックであった時代の
花形オーケストラ。当人が亡くなってすでに30年以上たつが、その財産のも
といまだ維持されているわけだ。現在のリーダーはMCもやっていたサック
ス奏者であるようで、演奏者は計15人。ぱっと見てぼくが名前を知る人はい
なかったが、その黒人音楽洗練の粋のヴァリエイションをなぞられるだけで
ニッコリとなれる。現代性はないけれど、贅沢なある種の非日常もときどき
感じた。

 へえと思ったのは、ベース(もちろん、アコースティック)が30代とおぼ
しき白人の女性奏者で、ドラムがイカレた髪形(金髪のブレイズ)をした黒
人の初老ドラマーだったこと。ま、演奏のほうは普通でしたが、そういうこ
とで新たな感興を得られるというのはやはりライヴのいいところですね。

 ゲスト・シンガーとして加わっていたのは、フリーダ・ペイン。もともと
はエリントンにスカウトされて業界入りした人だが、メインストリームの変
遷にしたがうように70年代はソウル畑で活動した人。ちょっと音程不安定な
ところもあったが、そこそこ雰囲気で許せちゃうところはあったかな。南青
山ブルーノート東京、ファースト。

コメント