アトミック

2005年4月12日
 新宿・ピットイン。開演時間少し前に着くとやはりとっても混んでいる。
椅子は置いてあるが、それはいつもより詰められ、立ち見の後ろのスペース
がぐぐいと広げられている。こんなに、人が入っているピットインは初めて
のような……。だが、それも当然という気持ちを強くする。なんてったって
このクインテットは今もっともジャズらしいジャズを演奏する、ジャズ界最
大級の希望の星なのだから。

 ノルウェーのジャズランドからアルバムをリリースしている、スウェーデ
ン人の二管とノルウェー人リズム・セクションがつるんだグループ。あれれ
、フロントに立つ二人をはじめ、ドラマー以外はそんなに大柄ではないよう
な。だから、後ろからだと実演している様子が見えにくい。……でも、ぐい
ぐいと鼓舞され、感じ入りました。

 1時間弱のセットを二つ。そんな演奏時間にも現れているように(普通、
ここのセットはそれぞれ1時間を超えるという印象がある。ソロは乗れば長
くなりますからね)、最後のほうはむこうみずにつっぱしる所もあったが、
往々にしてあっち側を見ていても程よい抑制のもとバンド総合表現を展開し
ようとしていたと言えるか。ピアノはソロをそんなに取らないと思えたし、
二管の絡みの妙を聞かせる部分が随所非常に耳に残った。で、そこには知性
やある種の現代性を見いだすこともできるわけで、それはそれでふふんとぼ
くは頷いたのだった。なんにせよ、ジャズをジャズたらしめる決定的な種が
随所に埋め込まれたパフォーマンスだったのは間違いない。また、来てほし
い。

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