テテ

2005年3月18日
 渋谷・クラブクアトロ。ありゃ、昨日のオゾマトリよりずっと混んでいるぢ
ゃん。セネガル人とアンティル諸島出身の両親を持つ、フランス在住のシンガ
ー・ソングライター。生ギターを持っての弾き語り。すらりと長身、その顔つ
きを見ただけでなんか性格良さそうな人という印象を得るが、それはしゃべり
方や身のこなしに接するとよけいに増幅される。MCは、英語とフランス語と
日本語の単語をお茶目に合わせる。

 ジャック・ジョンソン(2003年9月30日;曲によっては、彼やドノヴァン・
フランケンレイターの味をかなり思い出させるなあ)からキザイア・ジョーン
ズ(1999年9月19日;あまり弾けずに、メランコリックな行き方をするほう)
まで。その間を自由に行き来するようなパフォーマンスと説明するのが一番適
切ではないか。曲調は豊富、それはいろんなロック表現に触れてきて、そうし
たものをしっかりと彼の特性を通して出しているぞと思わせるもの。弾き語り
だけのパフォーマンス(90分弱ぐらいやったかな)でも飽きさせることはなか
った。そして、総じてはフランス音楽ファンでもなく、当然アフリカ音楽でも
なく、ロック・ファンに聞かれるべきという感想を強く持つ(でも、ロック愛
好者の場合、この日はブライト・アイズに行く人のほうが多かったんだろうな
)。アンコールは、ボブ・マーリーの「リデンプション・ソング」で締める。
マーリーの最終アルバムの一番最後に置かれていた、やはり弾き語りで披露さ
れる曲。まさしく、彼の風情にぴったり。それから、客の反応の熱烈さ、温か
さにも少しびっくり。送り手と聞き手、会場内には本当にいい空気のやり取り
があったのではないか。

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