田村夏樹カルテット

2005年2月10日
 北朝鮮との、サッカーの試合の晩。なんとなく、街の人出が少ないような。
なーんて思ってしまうのも、テレ朝を筆頭とする、あまりに過剰な盛り上げ事
前報道のせいだ。野球のキャンプはあんなに報道するのにどうしてJリーグの
それは報道しないプンプン、なんて普段思っているぼくでも、ありゃ視聴率稼
ぎの偏向報道以外の何物でもないと思う。報道の倫理、なんてものはまったく
ないのダと今回痛感させられましたね。その反発から試合放映そっちのけでラ
イヴを見に行ったんじゃなく、この日あいていると問われて試合のこと忘れて
て、行けますよと言ってしまっての結果ではあったのだけど。基本的に、男に
二言はない。でも、やはりリアル・タイムで見たかった。だけど、そうしてた
ら、かなり鬱憤のたまる試合内容ではあったなー。

 渋谷・クラシックス。田村(2003年4月7日、2004年10月10日、他)の新カ
ルテット。藤井郷子(アコーディオン)、津村和彦(ガット・ギター)、是安
則克(ベース)という布陣によるもの。実は、レコーディングをすでに終えて
いるそうで、この日はそのアルバム収録曲をすべてやったようだ。ドラムレス
という編成が物語るように、ある意味室内楽的な、書かれたものを重視して、
音をやんわり重ねていきますという方向性を持つ。その楽曲は素朴でメロディ
アスながらけっこう暗めのものであり、民族音楽他の語彙も自然に入りこんで
いるもの。曲によっては、フェリーニなんかを思わせるという説明もありか。
本当に発展を前にして留めているような腹5分目の演奏もあった。でも、やは
りそれより先に進んで節度あるインプロを交換するの曲のほうがぼくは興
味ひかれたが。それから、アコーディオン一本で勝負した藤井(1999年8月16
日、2000年6月2日、2000年10月1日、2002年8月5日、2003年1月21日、20
04年7月27日、他)はいい根性してんじゃん。表層の音色の特徴だけを用いた
使用法で、ぜんぜん弾けてない。もうアコーディオンという楽器ならではの
持ち味/キャラをいっさい介さないそれを真面目なアコーディオン奏者が見た
ら、とっても悲しい気持ちになるんじゃないだろうか。それから、お互いの表
現になにかと関与しあう田村/藤井夫妻であるが、そのデュオ演奏は見たこと
ないな、やったことはあるのかなとふと思った。カーラ・ブレイとスティーヴ
・スワロウ・デュオではないが(ぼくは、大甘のそれ、けっこう嫌いです)。

 ジミー・スミスが2月8日に亡くなった。本当に、大きなものを提出してく
れた人。今度は、本当に鷹のように天空から見下ろしてくださいね(2001年1
月31日参照)。

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