ブルーノート東京、セカンド。ジム・ホール(1930年生まれ)といえば、現
存するなかでは一番のジャズ・ギター・ヴァーチュオーソと言えるか。地味な
デュオ公演ながらなかなかの入り、最初彼が出てきたときの歓声の大きいこと
。さすが熱心な支持者が多いんだナと思わせられる。一方の、ジェフ・キーザ
ー(1970年生まれ)もちゃんとしたジャズ感覚/技量と視野の広さを持つ好ピ
アニストとぼくは思っている。
 
 ホールが係わったピアノのデュオ表現というとビル・エヴァンスの『アンダ
ーカンレント』(UA、62年)が思い出されるわけだが、すらり、すらすら草
書体の演奏。だが、その草書体はときにキーザーの名わき役ぶりもあって、と
きにフェルトペンで書いたようなものだったり、かなり特殊な自体を用いたも
のになっていたりしたのだった。ファースト・ショウでやってリクエストされ
たのでまたセカンドでやったという曲はなるほど淡々としたスリルと乾いた洒
脱やファンクネスが無理なく交錯した曲でなるほどと思わせられる。1時間ち
ょい。アンコールなし。そのあと、30分後に機材を見にまた出てきた御大に大
きな拍手が送られる。

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