上原ひろみ

2004年11月25日
 人気がお茶の間に入り込んでいる、ボストン在住のピアニスト。若い白人男
性の電気ベースとドラマーを従えてのもの。実はぼくは依怙地なところがあっ
て、基本的にジャズをやるならアコースティック・ベースを使わなければダメ
と感じている。そんな意味では、電気ベーシストを使っている彼女はジャズ失
格なのだが、実演を見てなるほどナと感じるところも。だって彼女、ジャズで
培った技量を用いつつも、明らかにジャズから離れようとしている。全てオリ
ジナル曲を演奏したようだが、自分のメロディ流儀に則り思うまま指を鍵盤に
はわせ、そこから自分なりの風景が出せればOKという感じのパフォーマンス
だったもの。曲によっては、キーボード(ノード・リード)で単音ソロを無邪
気に取ったりもする。それはある意味、インタープレイを擁する(楽曲はどれ
も10分ぐらいの長さ)私のポップスという感じ。もともとはTV番組で紹介さ
れたことが広い支持者獲得に繋がったようだが、そうした音楽性もまた非ジャ
ズのリスナー獲得に繋がっているのではないか。ただし、彼女はそんなに尖っ
たポップ・ミュージックには親しんでいないようで、そのはみ出し方は決して
コンテンポラリーとは言いかねるが。と言いつつ、ちゃんとお転婆な自分を主
張しているところは見ていて感情移入を誘うところがある。渋谷・Oイースト
。全椅子席。椅子が出ていると非常に狭く感じる会場なんだな。

 今日から加湿器を使う。

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