横浜ジャズ・プロムナード
2004年10月10日 台風が去った翌日は晴天になるはずなのに(天気予報もそうだったはず)、
昼過ぎから、小雨まじりの天気。ちぇっ。ヨコハマを各所で繰り広げれるジャ
ズ・フェス、毎年やっていると思うがぼくは2001年(10月6日)いらい行く。
馬車道・関内大ホール。まず、大友良英ニュー・ジャズ・アンサンブル。現
ニュー・ジャズ・クインテット(2004年2月6日,他)に、高良久美子(ヴァ
イブ)とSachiko M(効果音) を加えた編成にて。が、全員が全速力で音を出す
と、女性陣の音(さらにはベースも)は聞こえず(2階席で聞いたせいもあっ
たかせもしれない)。で、この編成のあり難みをちゃんと受け入れることが出
来た、とは言いにくい。最終曲ジム・オルークの「ユリイカ」は芳垣安洋(20
04年1月21日、2004年5月31日、他)のトンペットは相変わらず味わい深いけ
ど、その盛り上がり方には予定調和なものを感じてしまうというか、ちょい臭
く感じちゃうものあり。そろそろ、レパートリーから取ってもいいのでは。
先のONJQの項でONJO(オーケストラ)もありではないかとぼくは書い
ているが、来年は大きな編成でのライヴを新宿ピットインでやって、レコーデ
ィングもするという。
ここ数日風邪気味ゆえ、傘も持って出てこなかったし大きな移動はパス。い
ろんなところでギグをやっているはずだが、関内ホールの出し物だけを見るよ
うにする。ホール前でも学生バンドが軽やかに演奏。それなりの人だかり。街
頭で演奏することになっていたアマチュアの方々は昨日が台風による大雨でツ
ブれたので張り切り具合もひとしおでしょう。
続いて、ザップというオランダの弦楽4重奏団を見る。まだ20代か。プリン
スの「キッス」からオリジナルまで。突き抜ける個性には少し欠ける。30分ぐ
らいやったあと、先日に見たミケル・ブラーム・トリオ。1曲目はほぼフリー
。そのままで突っ走れば良かったのに、妙に具体的な部分と即興で押し進める
部分を絶え間なく繰り返すような演奏に、ちと笑顔が曇る。そのブレンドの仕
方、ぼくのテイストには合わず。いろんなものを効果的に用いるドラマーをは
じめ、いいなと思わせる部分も少なくないのだが。
ホールの近くの別の街頭ではアブストラクトな集団演奏(ドラマーがちゃん
としていて、だから演奏がずっと持っていましたね)も。サックス奏者はオリ
ジナル・ラヴで吹いている人(松本健一)であったそう。その音に合わせ、仮
装した人などのパフォーマンスもあり。でも、せっかくやるんだったら、もっと
華々しく大がかりに、見る人も巻き込むようなことをやってほしい。ちと、アイ
デアと酔狂不足。彼ら、友達少ないのかな? でも、やっている人達、楽しそう
で、ちょっと羨ましたかった。
関内大ホールの最後の出し物は、板橋文夫(2004年8月20日)のいろんなも
のを見せましょうという、特別扱いの2時間半にわたる出し物(しかし、“音
の吟遊詩人”という、それに付けられたキャッチはなんて言っていいものやら
)。なんと、1000人近くは入りそうな会場はほぼ満員。素晴らしいっ。
まず、知己と言えるだろうアルトの林栄一とのデュオ。大人のひらめきの、
味あるお手合わせ。以上、パート1。パート2は、リズム隊(井野信義と小山
彰太)が出てきて1曲。続いて、そこに片山広明が加わり、そのホンク・テナ
ーをフィーチャーしたR&B調の曲をやる。良いな。そして、さらにそこに田
村夏樹(トンペット)が加わり、広がりある、どこかキャッチーなニュアンス
も含む冒険曲を颯爽と披露。
そして3部はオーケストラ編成によるもの。先日見た編成から土岐英史が抜
け、代わりに梅津和時(2001年9月2日、2001年9月21日)と林栄一が入り、
パーカスは女性奏者。また、ヴァイオリン奏者の太田恵資(シカラムータ他い
ろいろやっている。2003年5月22日でも、弾いていました)は一人だけ逆側に
立って、フィーチャーされもする。ホーミーみたいな歌い方したりとか、いろ
いろ歌芸にも能力を発揮する人でもありますね。それにしても、梅津、片山、
林のリード3人揃い踏みはその絵を見ているだけで嬉しくなったナ。
驚いたのは、その先のオーケストラ公演とはやっている曲がけっこう違って
いたこと。引き出しは一つではない。ぜんぜん、飽きない。なんにせよ、個性
的で、うひひと含み笑いをしつつ美しくもあり、あっち側を見据えた、がらっ
ぱちな集団演奏が繰り広げられたわけです。9時を少し回ってアンコール前の
曲が終わると、すぐに客電がつき、<おしまいです、お気をつけて>みたいな
無神経な(というか、とっとと終わらせたいという気持ちに満ちた)アナウン
スがなされる。だが、板橋はそれを無視し、アンコール用に用意していたろう
曲を、ピアニカ(右手)とピアノ(左手)で弾き出す。とってもヒューマンな
手触りを持つものだったが、ヴィクトル・ハラの曲? そして、そこに全員が
加わっていき、とっても慈しみに溢れたアンサブル曲に発展していく。その間
、ステージの後ろでは緞帳を外したりとか、舞台美術の撤収が行われている。
……。でも、何があろうと俺たちは音楽ができるし、どんなときでも音楽を続
けていけるという、彼らの信条を浮き上がらせることにもそれは間違いなく繋
がっていた。好アシスト! いやあ、やっぱり感動的な実演でした。
再び繰り返す、板橋文夫はすばらしい!
昼過ぎから、小雨まじりの天気。ちぇっ。ヨコハマを各所で繰り広げれるジャ
ズ・フェス、毎年やっていると思うがぼくは2001年(10月6日)いらい行く。
馬車道・関内大ホール。まず、大友良英ニュー・ジャズ・アンサンブル。現
ニュー・ジャズ・クインテット(2004年2月6日,他)に、高良久美子(ヴァ
イブ)とSachiko M(効果音) を加えた編成にて。が、全員が全速力で音を出す
と、女性陣の音(さらにはベースも)は聞こえず(2階席で聞いたせいもあっ
たかせもしれない)。で、この編成のあり難みをちゃんと受け入れることが出
来た、とは言いにくい。最終曲ジム・オルークの「ユリイカ」は芳垣安洋(20
04年1月21日、2004年5月31日、他)のトンペットは相変わらず味わい深いけ
ど、その盛り上がり方には予定調和なものを感じてしまうというか、ちょい臭
く感じちゃうものあり。そろそろ、レパートリーから取ってもいいのでは。
先のONJQの項でONJO(オーケストラ)もありではないかとぼくは書い
ているが、来年は大きな編成でのライヴを新宿ピットインでやって、レコーデ
ィングもするという。
ここ数日風邪気味ゆえ、傘も持って出てこなかったし大きな移動はパス。い
ろんなところでギグをやっているはずだが、関内ホールの出し物だけを見るよ
うにする。ホール前でも学生バンドが軽やかに演奏。それなりの人だかり。街
頭で演奏することになっていたアマチュアの方々は昨日が台風による大雨でツ
ブれたので張り切り具合もひとしおでしょう。
続いて、ザップというオランダの弦楽4重奏団を見る。まだ20代か。プリン
スの「キッス」からオリジナルまで。突き抜ける個性には少し欠ける。30分ぐ
らいやったあと、先日に見たミケル・ブラーム・トリオ。1曲目はほぼフリー
。そのままで突っ走れば良かったのに、妙に具体的な部分と即興で押し進める
部分を絶え間なく繰り返すような演奏に、ちと笑顔が曇る。そのブレンドの仕
方、ぼくのテイストには合わず。いろんなものを効果的に用いるドラマーをは
じめ、いいなと思わせる部分も少なくないのだが。
ホールの近くの別の街頭ではアブストラクトな集団演奏(ドラマーがちゃん
としていて、だから演奏がずっと持っていましたね)も。サックス奏者はオリ
ジナル・ラヴで吹いている人(松本健一)であったそう。その音に合わせ、仮
装した人などのパフォーマンスもあり。でも、せっかくやるんだったら、もっと
華々しく大がかりに、見る人も巻き込むようなことをやってほしい。ちと、アイ
デアと酔狂不足。彼ら、友達少ないのかな? でも、やっている人達、楽しそう
で、ちょっと羨ましたかった。
関内大ホールの最後の出し物は、板橋文夫(2004年8月20日)のいろんなも
のを見せましょうという、特別扱いの2時間半にわたる出し物(しかし、“音
の吟遊詩人”という、それに付けられたキャッチはなんて言っていいものやら
)。なんと、1000人近くは入りそうな会場はほぼ満員。素晴らしいっ。
まず、知己と言えるだろうアルトの林栄一とのデュオ。大人のひらめきの、
味あるお手合わせ。以上、パート1。パート2は、リズム隊(井野信義と小山
彰太)が出てきて1曲。続いて、そこに片山広明が加わり、そのホンク・テナ
ーをフィーチャーしたR&B調の曲をやる。良いな。そして、さらにそこに田
村夏樹(トンペット)が加わり、広がりある、どこかキャッチーなニュアンス
も含む冒険曲を颯爽と披露。
そして3部はオーケストラ編成によるもの。先日見た編成から土岐英史が抜
け、代わりに梅津和時(2001年9月2日、2001年9月21日)と林栄一が入り、
パーカスは女性奏者。また、ヴァイオリン奏者の太田恵資(シカラムータ他い
ろいろやっている。2003年5月22日でも、弾いていました)は一人だけ逆側に
立って、フィーチャーされもする。ホーミーみたいな歌い方したりとか、いろ
いろ歌芸にも能力を発揮する人でもありますね。それにしても、梅津、片山、
林のリード3人揃い踏みはその絵を見ているだけで嬉しくなったナ。
驚いたのは、その先のオーケストラ公演とはやっている曲がけっこう違って
いたこと。引き出しは一つではない。ぜんぜん、飽きない。なんにせよ、個性
的で、うひひと含み笑いをしつつ美しくもあり、あっち側を見据えた、がらっ
ぱちな集団演奏が繰り広げられたわけです。9時を少し回ってアンコール前の
曲が終わると、すぐに客電がつき、<おしまいです、お気をつけて>みたいな
無神経な(というか、とっとと終わらせたいという気持ちに満ちた)アナウン
スがなされる。だが、板橋はそれを無視し、アンコール用に用意していたろう
曲を、ピアニカ(右手)とピアノ(左手)で弾き出す。とってもヒューマンな
手触りを持つものだったが、ヴィクトル・ハラの曲? そして、そこに全員が
加わっていき、とっても慈しみに溢れたアンサブル曲に発展していく。その間
、ステージの後ろでは緞帳を外したりとか、舞台美術の撤収が行われている。
……。でも、何があろうと俺たちは音楽ができるし、どんなときでも音楽を続
けていけるという、彼らの信条を浮き上がらせることにもそれは間違いなく繋
がっていた。好アシスト! いやあ、やっぱり感動的な実演でした。
再び繰り返す、板橋文夫はすばらしい!
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