5月28日(金)〜5月31日/メルス・ニュー・ジャズ・フェスティヴァル
2004年6月6日 2003年8月29日の項でちらりと触れているが、80年代初頭の独メルス・レ
コードには大いにハマった。あの頃のその音はある種ぼくの音楽観に楔を打
っているところが間違いなくある。そして、そのレーベルを生むきっかけと
なった同地のニュー・ジャズ・フェスティヴァル(今年で33回目を数える)
にもぼくは強い幻想をずうっと抱いてきていた。
そこに今年はROVO(2000年7月29日他)が堂々出演、回りの人間が行
くというのでそれに突如便乗してしまったワタシ(再来年のワールド・カッ
プ時渡独の予習にもなる、とも少し考えたか)。ちょうど5月下旬に、知人
が留学しているインドネシアの古都ジョグジャ(郊外はホタルが綺麗なんだ
ってサ)、そしてジャカルタに遊びに行こうとしていたので、割りとすんな
りと時間の工面は出来てしまった。
26日、ROVOご一行と渡独させていただく。フランクフルトから陸路、比較
的オランダに近い田舎街のメルス(の近郊)へ。メールス市の街おこしフェ
ス。28日から4日間、ドイツにおけるゴールデン・ウィークにそれは行われる。
同市の非常に大きな公園の一画にバカでかいテント(サーカス用のものなん
だろうな)が設営され、公園の芝生という芝生がキャンプ・スペースになり、
公園の小路にはものすごい数の売店が軒を連ねる。当然、万単位となるだ
ろう数の人が集まっていて、思うまま寛いでいる。フェス抜きで楽しんでいる
人いて、お祭りだあ。まあ、バーク・フェス(2000年8月11〜13日)なんか
とも結構ノリは重なるが、大きな違いは集まっている人達の年齢がこちらは
実に幅広いこと。親に連れられたコドモから年寄りまで、本当に様々。そして、
その風景は本当に健全に思える。
で、初日の27日。この日は小手調べ的(?) に、夕方から(といっても、こ
の時期、サマータイムもあって10時にならないと暗くならないが)の始まり
。トップにやるのはデイヴィッド・マレイのキューバン・ビッグ・バンド。
マレイはメルスに頻繁に出演する同フェスの顔役ミュージシャンの一人であ
るようだが、明日はオランダに行く予定とのことで、初日トップの出番にな
ったのだろう。このビッグ・バンド、マレイ以外はキューバのミュージシャ
ンとか。うーん、実際の演奏のほうはぼくにはよく判らない。ラテンの美点
を消し去り、かといってジャズ的な何かを効果的に加味していた感じでもな
いし……。なんて、彼が日本語を解する人だと書きにくいが。ぼくのことを
覚えていたし(2003年8月9日)。
続いては、トパーズ。その名を見て、ヴェロア・レコードから出ているN
Yのファンク・フュージョン・バンドだと思ってしまった。そしたら、同じ
トパーズでもジョン・ゾーン関連レーベル他からリーダー作を出しているN
Yボーダーレス界の主任チェロ奏者であるエリック・フリードランダーのカ
ルテット。で、ほうと膝を打ちたくなる、美味しい癖と即興性を有すること
をやる。リズム・セクションはNY在住のようである、日本人のタケイシ兄
弟。弟はビル・フリゼール的なのりでベースを扱い、兄は床に直に座って特
殊ドラム・キットを叩く、といったように変則的なコンビネーションを見せ
る二人は各日のセッション(後述します)やネッド・ローゼンバーグのダブ
ル・バンドにも加わるなど、連日大活躍。二人は確かな個性で前線を飄々と
闊歩していた。
3番目はドイツ人のヘルゲ・シュナイダー。ソロでいろんな楽器を扱いつ
つ、インプロ精神と諧謔に富んだ大道芸的パフォーマンスを披露。同国MT
V(多くは米英のバンドのものが流される) で彼のクリップが流れてもいた
ので、ドイツではそれなりに知られる人なのだろう。
4番目は、イスラエルのジ・アラブ・オーケストラ・オブ・ナザレス。彼
らはジャズとはまるで関係なく、伝統をたっぷりと受けた大衆歌謡表現を聞
かせる。演奏陣は正装し、そこに女性歌手が入ったりも。音楽的には日本に
やってきたエスマ(2001年9月21日)と重なると感じる部分も。スイスのモ
ントルー・ジャズ・フェスは物凄く前からワールド・ミュージック系アクト
が多く出ていたが、今のメルスも同様であるようだ。異文化にある、新奇さ
を与える表現に観衆は大拍手。いろんな層の人が、ナチュラルに鷹揚に、枠
の外にある音楽、はみ出した音楽をそれもあっていいじゃないのという感じ
で愛でる姿勢を実感。そして、それこそが、このフェスを33年間も続けるこ
とを支えるものなのだろう。
売店ではフリー系、はみ出し系を中心とするCD、レコードが販売されて
いる。それもまたメルスらしい。中古は安価なので買い占めたくなる。すで
に3度ここに出演し、多大な好評を博している渋さ知らズの不破大輔や一部
ダンサー陣も今回会場には顔を見せている。「フワサン」といろんなドイツ
人が彼に話しかけてきたりしてて、本当に渋さはメルスの名物アクトになっ
ているのだなと肌で実感。来年は彼らがまた出る予定だそうだ。
コードには大いにハマった。あの頃のその音はある種ぼくの音楽観に楔を打
っているところが間違いなくある。そして、そのレーベルを生むきっかけと
なった同地のニュー・ジャズ・フェスティヴァル(今年で33回目を数える)
にもぼくは強い幻想をずうっと抱いてきていた。
そこに今年はROVO(2000年7月29日他)が堂々出演、回りの人間が行
くというのでそれに突如便乗してしまったワタシ(再来年のワールド・カッ
プ時渡独の予習にもなる、とも少し考えたか)。ちょうど5月下旬に、知人
が留学しているインドネシアの古都ジョグジャ(郊外はホタルが綺麗なんだ
ってサ)、そしてジャカルタに遊びに行こうとしていたので、割りとすんな
りと時間の工面は出来てしまった。
26日、ROVOご一行と渡独させていただく。フランクフルトから陸路、比較
的オランダに近い田舎街のメルス(の近郊)へ。メールス市の街おこしフェ
ス。28日から4日間、ドイツにおけるゴールデン・ウィークにそれは行われる。
同市の非常に大きな公園の一画にバカでかいテント(サーカス用のものなん
だろうな)が設営され、公園の芝生という芝生がキャンプ・スペースになり、
公園の小路にはものすごい数の売店が軒を連ねる。当然、万単位となるだ
ろう数の人が集まっていて、思うまま寛いでいる。フェス抜きで楽しんでいる
人いて、お祭りだあ。まあ、バーク・フェス(2000年8月11〜13日)なんか
とも結構ノリは重なるが、大きな違いは集まっている人達の年齢がこちらは
実に幅広いこと。親に連れられたコドモから年寄りまで、本当に様々。そして、
その風景は本当に健全に思える。
で、初日の27日。この日は小手調べ的(?) に、夕方から(といっても、こ
の時期、サマータイムもあって10時にならないと暗くならないが)の始まり
。トップにやるのはデイヴィッド・マレイのキューバン・ビッグ・バンド。
マレイはメルスに頻繁に出演する同フェスの顔役ミュージシャンの一人であ
るようだが、明日はオランダに行く予定とのことで、初日トップの出番にな
ったのだろう。このビッグ・バンド、マレイ以外はキューバのミュージシャ
ンとか。うーん、実際の演奏のほうはぼくにはよく判らない。ラテンの美点
を消し去り、かといってジャズ的な何かを効果的に加味していた感じでもな
いし……。なんて、彼が日本語を解する人だと書きにくいが。ぼくのことを
覚えていたし(2003年8月9日)。
続いては、トパーズ。その名を見て、ヴェロア・レコードから出ているN
Yのファンク・フュージョン・バンドだと思ってしまった。そしたら、同じ
トパーズでもジョン・ゾーン関連レーベル他からリーダー作を出しているN
Yボーダーレス界の主任チェロ奏者であるエリック・フリードランダーのカ
ルテット。で、ほうと膝を打ちたくなる、美味しい癖と即興性を有すること
をやる。リズム・セクションはNY在住のようである、日本人のタケイシ兄
弟。弟はビル・フリゼール的なのりでベースを扱い、兄は床に直に座って特
殊ドラム・キットを叩く、といったように変則的なコンビネーションを見せ
る二人は各日のセッション(後述します)やネッド・ローゼンバーグのダブ
ル・バンドにも加わるなど、連日大活躍。二人は確かな個性で前線を飄々と
闊歩していた。
3番目はドイツ人のヘルゲ・シュナイダー。ソロでいろんな楽器を扱いつ
つ、インプロ精神と諧謔に富んだ大道芸的パフォーマンスを披露。同国MT
V(多くは米英のバンドのものが流される) で彼のクリップが流れてもいた
ので、ドイツではそれなりに知られる人なのだろう。
4番目は、イスラエルのジ・アラブ・オーケストラ・オブ・ナザレス。彼
らはジャズとはまるで関係なく、伝統をたっぷりと受けた大衆歌謡表現を聞
かせる。演奏陣は正装し、そこに女性歌手が入ったりも。音楽的には日本に
やってきたエスマ(2001年9月21日)と重なると感じる部分も。スイスのモ
ントルー・ジャズ・フェスは物凄く前からワールド・ミュージック系アクト
が多く出ていたが、今のメルスも同様であるようだ。異文化にある、新奇さ
を与える表現に観衆は大拍手。いろんな層の人が、ナチュラルに鷹揚に、枠
の外にある音楽、はみ出した音楽をそれもあっていいじゃないのという感じ
で愛でる姿勢を実感。そして、それこそが、このフェスを33年間も続けるこ
とを支えるものなのだろう。
売店ではフリー系、はみ出し系を中心とするCD、レコードが販売されて
いる。それもまたメルスらしい。中古は安価なので買い占めたくなる。すで
に3度ここに出演し、多大な好評を博している渋さ知らズの不破大輔や一部
ダンサー陣も今回会場には顔を見せている。「フワサン」といろんなドイツ
人が彼に話しかけてきたりしてて、本当に渋さはメルスの名物アクトになっ
ているのだなと肌で実感。来年は彼らがまた出る予定だそうだ。
コメント