デイヴィッド・シルヴィアン(24日)。ザ・べイカー・ブラザーズ(27日)
2004年4月27日4月24日(土)
デイヴィッド・シルヴィアン
昭和女子大の人見記念講堂。学生証にクレジット・カードを初めて
くっつけた学校だっけ。10年以上ぶりに行く。硬いお嬢さん女子大と
いう印象があるが、かつてはコンサートがあるときは構内に車を止め
させてくれるなどサバけた一面も。場内奥(下だったけな?)のほう
では確かビールも提供していたし。今もそうなのかな。
1時間50分ぐらいの実演。昨年出した、音響静謐冒険ポップの大傑
作『プレミッシュ』のノリを引き継ぐもの。ま、とっても“暗い”と
も言えるんだが、それを堂々開いてましたね。基本の淡い効果音/伴
奏音を出す人として、ジャパンからの同僚というか、弟のスティーヴ
・ジャンセンがつく。伴奏は彼だけ。一部はコーラスを付け、何曲も
で手弾きでドラム音(少し、セコい音色)を付けたりもし、そのとき
はキック経由でバス・ドラムの音を出す場合も。彼も秀でた才能をや
はり感じさせたな。
まだ青年ぽさを保つジャンセンに対しかなり中年ぽくなったシルヴ
ィアンではあるが、歌の存在感は凄い。暗黒とつながった、野太い声
(と言いたくなるぐらい、よく出ている)はとても存在感あり。新作
での、フリー・ジャズ・ギタリストのデレク・ベイリーとの共演曲も
コンピューターに落としてある音に合わせて我が道を行く感じで歌う
。そういう人が一時は化粧し、“ビック・イン・ジャパン”最たる存
在であったのだ。アンコール終了後嬉しそうな彼だったが、それは今
もあるていど変わらないのかな? ともあれ、ルックスには惹かれた
ことはなかったけど、ファンキーでもあったその初期から音楽は大好
きでした。
ステージにはもう一人、映像/音楽両刀で活躍する高木正勝が構
成員の3分の1という感じで上がっていて、背面に映し出される映像
をいろいろとオペレイトする(中盤は高木が退席して映像なしで進め
られた)。彼自身のクリップもまんま流していたりしたようだ。その
色彩感ある映像群は起伏の少ないパフォーマンスに新たな観点を加え
ていたものの、ぼくにはちょっとうざく感じる部分も。だが、彼を鋭
意起用したのはシルヴィアン自身だろうし、そこにはモノトーンの生
理的にはシンプルな自分の音楽だけでは客が飽きるだろう、客を突き
放しすぎるのはいかがなものかという本人の心持ちがあったのか……
。確かに『プレミッシュ』は実演向きではないのかと思わせるところも
あり、それも判らなくもないのだが、だとするとぼくは複雑に感じる
部分も。これぞ孤高の男の生きる道、これこそが私の今の音楽じゃあ
と淡々と、傍若無人に行ってほしかったとも思うもの。そのドン・キ
ホーテぶりもシルヴィアンだとぼくは思うから。腹の底で世間に唾は
いてる(のを秀でた音楽として昇華し出せる)ところ、それが昔から
彼を好きだった理由だったのだなと、ぼくは再確認。ともあれ、途中
からはシルヴィアンは生ギターを持って歌ったりして(それ以外は歌
だけか、少しキーボードを触って歌う)、彼らしいことをスポイルし
ない親しみやすさが出たりもしていた。
4月27日(火)
ザ・ベイカー・ブラザーズ
P−ヴァインからリリースされて意外なセールスを上げているとい
う、英国の白人3人組ファンク・バンド。ちょっとジャジーでもある
。少し、ロックっぽいところもある。リズム隊とオルガンとギター両
刀奏者による編成で、ベース奏者もときにギターを弾いたりし、一部
の曲ではプリセット音も使用。また、半分近くの曲で、日本人サック
ス奏者が客演する。ダイと呼ばれていた彼、けっこういろんな吹き方
できる人でした。
3人、下手ではないがものすごく腕がたつわけではない。だが、米
国黒人とは別の回路でお気に入りのファンク表現(けっこう歌が入る
曲が多い)にニコニコと向かっているという感じがたっぷりあって、
ニコニコしながら見れる。好きなものに対しての、自分たちならでは
の差し込みの入れ方が上手い。人柄も良さそうなところも良かった。
渋谷・東京JZブラット。
デイヴィッド・シルヴィアン
昭和女子大の人見記念講堂。学生証にクレジット・カードを初めて
くっつけた学校だっけ。10年以上ぶりに行く。硬いお嬢さん女子大と
いう印象があるが、かつてはコンサートがあるときは構内に車を止め
させてくれるなどサバけた一面も。場内奥(下だったけな?)のほう
では確かビールも提供していたし。今もそうなのかな。
1時間50分ぐらいの実演。昨年出した、音響静謐冒険ポップの大傑
作『プレミッシュ』のノリを引き継ぐもの。ま、とっても“暗い”と
も言えるんだが、それを堂々開いてましたね。基本の淡い効果音/伴
奏音を出す人として、ジャパンからの同僚というか、弟のスティーヴ
・ジャンセンがつく。伴奏は彼だけ。一部はコーラスを付け、何曲も
で手弾きでドラム音(少し、セコい音色)を付けたりもし、そのとき
はキック経由でバス・ドラムの音を出す場合も。彼も秀でた才能をや
はり感じさせたな。
まだ青年ぽさを保つジャンセンに対しかなり中年ぽくなったシルヴ
ィアンではあるが、歌の存在感は凄い。暗黒とつながった、野太い声
(と言いたくなるぐらい、よく出ている)はとても存在感あり。新作
での、フリー・ジャズ・ギタリストのデレク・ベイリーとの共演曲も
コンピューターに落としてある音に合わせて我が道を行く感じで歌う
。そういう人が一時は化粧し、“ビック・イン・ジャパン”最たる存
在であったのだ。アンコール終了後嬉しそうな彼だったが、それは今
もあるていど変わらないのかな? ともあれ、ルックスには惹かれた
ことはなかったけど、ファンキーでもあったその初期から音楽は大好
きでした。
ステージにはもう一人、映像/音楽両刀で活躍する高木正勝が構
成員の3分の1という感じで上がっていて、背面に映し出される映像
をいろいろとオペレイトする(中盤は高木が退席して映像なしで進め
られた)。彼自身のクリップもまんま流していたりしたようだ。その
色彩感ある映像群は起伏の少ないパフォーマンスに新たな観点を加え
ていたものの、ぼくにはちょっとうざく感じる部分も。だが、彼を鋭
意起用したのはシルヴィアン自身だろうし、そこにはモノトーンの生
理的にはシンプルな自分の音楽だけでは客が飽きるだろう、客を突き
放しすぎるのはいかがなものかという本人の心持ちがあったのか……
。確かに『プレミッシュ』は実演向きではないのかと思わせるところも
あり、それも判らなくもないのだが、だとするとぼくは複雑に感じる
部分も。これぞ孤高の男の生きる道、これこそが私の今の音楽じゃあ
と淡々と、傍若無人に行ってほしかったとも思うもの。そのドン・キ
ホーテぶりもシルヴィアンだとぼくは思うから。腹の底で世間に唾は
いてる(のを秀でた音楽として昇華し出せる)ところ、それが昔から
彼を好きだった理由だったのだなと、ぼくは再確認。ともあれ、途中
からはシルヴィアンは生ギターを持って歌ったりして(それ以外は歌
だけか、少しキーボードを触って歌う)、彼らしいことをスポイルし
ない親しみやすさが出たりもしていた。
4月27日(火)
ザ・ベイカー・ブラザーズ
P−ヴァインからリリースされて意外なセールスを上げているとい
う、英国の白人3人組ファンク・バンド。ちょっとジャジーでもある
。少し、ロックっぽいところもある。リズム隊とオルガンとギター両
刀奏者による編成で、ベース奏者もときにギターを弾いたりし、一部
の曲ではプリセット音も使用。また、半分近くの曲で、日本人サック
ス奏者が客演する。ダイと呼ばれていた彼、けっこういろんな吹き方
できる人でした。
3人、下手ではないがものすごく腕がたつわけではない。だが、米
国黒人とは別の回路でお気に入りのファンク表現(けっこう歌が入る
曲が多い)にニコニコと向かっているという感じがたっぷりあって、
ニコニコしながら見れる。好きなものに対しての、自分たちならでは
の差し込みの入れ方が上手い。人柄も良さそうなところも良かった。
渋谷・東京JZブラット。
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