キップ・ハンラハン絡みのプロジェクトにおけるツイン・ドラム
・コンビ(2000年1月12日、2001年5月15日、2003年8月9日)で注目
を集めた、キューバン・ネイティヴ実践派とアメリカン学究派(?
)のでこぼこ二人組がリーダーシップを取る出し物。すでにアルバ
ムを2枚出しているが(1枚目の02作のほうがずっと出来が良い)
、その求めるところは、ウマの合うミュージシャンとの有機的なや
りとりを介して自分たちの根っこと今のヴァイヴや視点を重ね合わ
せた混沌音楽を送りだす……ということになるか。2002年7月24日
のライヴはやはりそのノリでの実演でしたね。蛇足だが、本欄では
他に2002年12月27日の項でも触れている(エル・ネグロは、2002年
10月3日も)。おお、オレいっぱい彼らのこと見てるな。でも、こ
こ2年ぐらい彼らは本当に度々日本に来ているから、ぼくが見てな
いときもそれなりにあるはずだが。

 南青山・ブルーノート東京。二管、六弦ベース、鍵盤、打楽器、
そして性格な良さそうな二人のシンガー(女性はラテン系。ラップ
主体の黒人男性は、マライア・キャリーのツアーでも来ていたらし
い:2003年7月6日)という編成にて。楽器奏者はみんな上手い。
主役のお二人は一緒にドラムをどかどか叩く曲は少なくて、どちら
かはドラム・セットから離れ、肩掛け式のランプラー(25個ぐらい
のボタンがついていて、手打ちで打ち込み音のような音を出す)を
扱う。

 話は前後するが、特別ゲストとして3曲目からラテン・ジャズの
大御所フルート奏者デイヴ・ヴァレンティンが加わる。意外に、外
見はそんなに爺になってはおらず。で、とってもエンターテインメ
ント精神ある人ね。ただ、やはり音楽的にはかなり離れている。で
も、そこは暗黙の了解とラテンの鼓動が繋ぐ鷹揚さで、コレデイイ
ノダという感じで控えめに重なる。両者、楽屋ではどんな感じなの
か。
 ともあれ、ラテン、ヒップホップ、ジャズ(とくに、管のアンサ
ンブルは電気マイルス的ね)、R&Bなどを自在に重ねた音楽を繰
り出す。ぼくは十二分に楽しみました。

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