留守録できないので、サッカーのオリンピック最終予選の試
合に合わせて、録音ボタンを押して家を出る。お昼から急激に
寒くなり雨も振って中東勢には不利になり、なんか煮え切らな
い代表チームでも絶対勝つと思いながら。しかし、今回のテレ
朝の試合放映は酷い。どうして、なんの脈略もなく日本のゴー
ル・シーンのリプレイを試合中にしつこく入れるのか。ついで
に、松木安太郎の解説も大バツを。前から内容がなく退かせる
ものがあったが(何より嫌だったのは、ゲーム中の解説でゲス
ト同士で自分たちの現役時代のプレイをまんざらでもなく褒め
あうところ)、もう行くとこまでいっているナ。内容まるでナ
シ、ただ気合だけを強調するおっちょこちょいなそれは、隣の
駄目おやじ話と変わんねえ。あんなタコが監督やったときのチ
ームにいた選手が本当に可哀相。

渋谷・NHKの505 スタジオで、ライヴ・ビートの公開録音
。行くと大分押している感じで、日本のマハル・シャラル・ハ
シュ・バズがやっている。実は、このユニットのことはぼくは
ぜんぜん知らなかった。後でちょっと調べたら、けっこうキャ
リアを持つ人がやっているようで、かなり通受けしているのネ
。ふーん。

 バンドを率いる真面目そうな男(ギター、たまに歌も)、女
性ドラム、電気ベース、5〜6本のホーン隊による実演。みん
な、譜面を前にしている。で、一発でうひっと苦笑。まさに絵
に書いたような、よれよれ。ヘタウマならぬ、ドヘタ、ヘタ。
やる気もなそう。なんだこりゃ。でもって、歌付きのちゃんと
曲っぽい感じでやるものもあるが(ちょっとルー・リードっぽ
い?)、基本的にはリフの断片をやってすぐに辞める。最初、
冗談かと思った。だけど、すぐに、なんか不可解な含みや佇ま
いを覚えるようになり、3曲目ぐらいからはコレは絶対ありダ
と思いつつ、大笑いしながら聞いちゃった。そして、最終的に
は……こりゃ、すげえ。よくもまあ、こういう音楽表出の回路
を編み出したなあと脱帽。ぜったい、ぼくが音楽やるとしたら
、もっと通常の音楽のあり方、送りだし方の様式にとらわれち
ゃうもの。偉い偉い偉い。凄い凄い凄い。へたさやまとまりの
なさ、完成度の低さのなかから、音楽としてのなんか確かな意
義をきっちり出していた。それ、無意識のではなく、間違いな
く意識的だろう。飄々と、我が道を貫く変人ぽさはナンバーガ
ール(2000年5月13日、2001年2月13日)/ザゼン・ボーイズ
の向井秀徳をはるかに超えるな。降参。しかし、凄い人はいろ
んなところにいるもんだ。やっぱり、いろいろ見るのを不精し
ちゃいけない。とともに、国営放送も本当に偉いっ。だけど、
このへたへたが視覚なしでラジオでかかると一体どー聞こえる
のだろうか? 彼らの美味しさは実演を見たほうが良く伝わる
と思うが。

 機材セッティッグを代える休憩の間、収録スタジオの横のほ
うにある社員食堂でなんかお腹に入れようかと思ったが、そこ
のTVでサッカーの試合を映していおり、目に入れたくないので
やめにする。夜中に新鮮に見たかったから。しかしその社食、
そこそこ遅くまでやっているんだな。カレーは300 円。鉄火丼
とか定食みたいなのは600 円ぐらいだったか。

そして、ディアフーフ。去年も来ているが、ぼくは今回初め
て見る。サンフランシスコをベースとする4人組で、ベースと
歌は日本人女性。彼女のちゃんとした日本語MCを聞いてなる
ほどネイティヴなのねと思いつつ、ダモ・スズキ(1999年9月
22日)を思い出す。ブロンド・レッドヘッド(2002年1月27日
)もそうだが、日本人女性がんばってますね。ヨーコ・オノ・
ミーツB-52、なんて言われ方もあった彼女たちだが、不思議ち
ゃん風ヴォーカル曲をどんどん膨らむ感覚を持つギター・サウ
ンドにのせて披露。曲の展開は、“ノー・ニューヨーク”ぽい
のからプログレっぽいのまでを自由に行き来する、ポスト・パ
ンク調+アルファと言った感じ。

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