場所は渋谷・デュオ。Oイーストの一階部分にある、今年
に入ってから開いたハコ。テーブルと椅子が配置され、食事
などもゃんとサーヴするなど、”ポップ版ブルーノート”的
なスタンスで運営していくようだ。

 ソウル・トゥ・ソウルのシンガーをやって注目を浴びたあ
と、ジャマイカン英国人であることを強調した活動で一世を
風靡した女性シンガー。英国を飛び出し、米国で作ったソロ
第2作『Beach of the War Goddess』(EMI 。やっぱ、傑作
だったと思いますね)を出したのが92年。それ以降、彼女は
アルバムを出していないわけだが、かつてその混合型ソウル
にやられ、取材で意気投合した身としては、これは行かずに
いられるかって心境ぢゃ。どんな、駄目なライヴでも。……
って、彼女だったら、そんな変なものにはならないだろうと
いう確信もあったけど。

 ギター、東洋系入った女性ベース、黒人のベースとドラム
というサポートの人達はみんなNY在住の人とか。すると、
ウィラーもそうであると考えたほうがいいだろうな。実は、
広い世界を求めて英国という属性から離れたのは彼女が失速
した最たる要因だろうが、でもそうなろうとも自分の思いを
貫く人だからこその" 引っ掛かりの表現" でもあるのだ。ミ
シェル・ンデゲオチェロも02年作でウィラーのことを起用し
たのはそのヴァイヴ持つゆえでしょう? バンドにせよ、彼
女の喉の輝きや伸びにしろ、全盛期のままと行かない部分は
あったろう。だが、いまだ変わらぬ彼女を支える立脚点や心
意気なんかはあっさりと透かして見せてくれた実演(彼女の
アクションはちょっと恥ずかしく感じる部分があったかな)
と言えると思う。                 

コメント