ヤン・ガルバレク

2004年2月25日
 ヒリヤード・アンサンブルと一緒にやった公演(2002年2
月13日)いらいの来日。今回は、この北欧の巨人サックス奏
者のメインの表現と言えるだろう、バンドによるニュー・ミ
ュージック路線だ。ずうっとECMから出しているアルバム
はその流れですね。

 エバーハルト・ウェバー(ベース)、マリリン・マズール
(パーカッション)という、ECMのファンだったら身を乗
り出したくなる人達をバックに従えてのもの。もちろん、彼
の同路線を支えるライナー・ブリューニングハウスも同行。
パット・メセニー表現におけるライル・メイズの役を担う彼
はでっぷりしたおっさんだったのにはありゃりゃ。メイズ同
様に、少女趣味的なキーボード音を淡々と載せる人とは到底
思えない。

 なんか、北欧的なキブンとも多分に繋がっているのかもと
思わせるセンチな曲想を柱に、いろいろなパートをどんどん
プログレッシヴ・ロックのようにつないでいく。超然とした
情緒を振りまきながら……。レゲエ調のパートもあったな。
終盤はようやく、そうしたちんたらした曲調のもとガルバレ
クはそれなりにソロをとる。<ジョン・コルトレーンから得
た様々なものを北欧の白人的な体質にイマジネイテウィヴに
転化させた>と言えるだろうその高尚ムード・ミュージック
表現、90年に(『アイ・トック・アップ・ザ・リューンズ』
を出したとき)ガルバレクに電話インタヴューしたことがあ
ったけど、本人も即興音楽の要素があるのは認めつつも「こ
れはジャズではない、でもいろんなものをミックスさせたな
かから新しい芽が見つけられれば」みたいなことを言ってい
たっけ。なんか固定した芸風になってますね。あながち悪い
意味ではなく。

 場所は錦糸町・トリフォニーホール。半蔵門線が延びたお
かげで、うちからは電車一本で行ける。新宿に行くより、気
分的に楽なところあるかも? 距離は3倍ぐらいあるけど。
帰りに、駅前のつばめグリルでご飯を食べていたら(質、下
がったね。ファミレスと思いなさいということか)、やはり
ガルバレク帰りの、プログレ好きの編集者とレコード会社社
員と別々に会う。なるほどなあ。

                   

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