ロン・カーター
2004年1月14日 南青山・ブルーノート東京。ファースト・ショウ。大御所ベーシスト(2001年6月7日)のギグは、『ザ・ゴールデン・ストライカー』という新作のフォーマットによるもので、ピアノ(マルグリュー・ミラー)とギター(ラッセル・マローン、2001年1月31日)というドラムレスの編成。3人は蝶ネクタイしての正装。鼻唄キブンで、無理なく、ちょっと黄昏たノリ(それは十二分に留意されてのものだろう)の室内楽的な演奏を重ねていく。アンコールの「いつか王子様が」なんて瀟洒で、合っている。なんか、ジャズの肝をさらりと撫でる。こーいうのはあり。カーターの余裕の指裁き(左手の小指を非常に多用するんだナ)を見ながら、こんなアコースティック・ベースの権化のような人も、70年代初頭(CTI系セッション)はそれなりにエレクトリック・ベースを手にしていたことを思い出す。時代やその人の年代によっても、アーティストのポイントは移行してくる……。
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