佐藤浩一 〜 Water &Breath;『Embryo』
2021年11月25日 音楽 丸の内・コットンクラブ。今晩から3日間4ショウ行われるShinya Fukumori presents「nagalu Festival 2021」の初日の出し物となる。新型コロナ禍に入るおり日本に戻っていた福盛進也(2018年1月7日、2018年4月7日、2019年1月5日、2019年6月14日、2019年12月18日)はそのまま日本に滞在することを選び(ミュンヘンにはいまだ部屋があるらしいが、ちょうどいい機会と彼は東京に留まることを決めたよう)、日本の新しい価値観を持つミュージシャンたちと交友を持つとともに自己レーベルの“nagalu”と“S/N Alliance”の二つのレーベルを設立、意気盛んに周辺のアーティストの作品を送り出している。モノラル録音、2枚組であることを是とする“nagalu”レーベルの第一弾は福盛のセカンド作『Another Story』で、続く第2弾が佐藤浩一(2014年10月22日、2016年7月11日、2017年10月27日、2018年1月7日、2018年4月7日、2018年6月4日、2019年1月5日、2019年10月30日、2020年8月16日、2021年7月30日、2021年11月6日)の『Embryo』となる。“nagalu”にしろ“S/N Alliance”にせよ、CDパッッケージには凝りまくり(コスト、かかっているなと思わせる)で一度手にする価値ありだ。
佐藤の『Embryo』はDisc1“Water”がソロ・ピアノ作で、Disc2“Breath”はチェロやエレクトリック・ギターとのデュオから弦カルテット入りのものまで大小の協調曲で構成されている。その両方を見せましょうというこのショウは佐藤にくわえ、電気ギターの市野元彦 (2014年10月22日、2016年7月11日)、ダブル・ベースの吉野弘志 ( 2019年7月25日)、ドラムの福盛進也 (ds) 、チェロのロビン・デュプイ、ヴァイオリンの伊藤彩と梶谷裕子、ヴィオラの吉田篤貴 (2016年11月10日、 2019年9月27日、2021年9月19日)がステージにあがる。みんな、カジュアルな格好をしている。
デュプイとのデュオで始まり、前半は基本ギター、ベース、ドラムという陣容で演奏し、途中に入ると悠然とソロ・ピアノを3曲披露し(ピアノ美意識、あふれる。もう1曲聞きたかった)、後半は弦楽四重奏も入ったフルの陣容で、生理的にとても贅沢な演奏を聞かせる。それらに接すると、参加ミュージシャンの楽器音をうまく使っているとも頷かされよう。そして、この日初めて佐藤に触れる人だと、一体この人はどういう音楽遍歴を経てこういう静的ながらいろいろな含みや衝動を孕む表現を作るようになったのかと狐につままれる感覚を得るかもしれない。
まずは自分の中にあるメロディやストーリーを十全に拾い上げ、それをソロという最小単位から8人によるものまで自在に、繊細に、優美に広げていく。水面下にいる悪魔がペロリと舌を出した感覚は実演のほうが透けて見えるか。なんにせよ、ジャズのあり方や考え方が変わってきていて、今日多様な表情を見せるようになっていると紛れもない事実をそれらはおおいに伝える。
佐藤は慎ましやかに、MCは言葉少な。あれ、インタヴューするともっと喋るんだけどな。でも、語らずとも音楽で彼は雄弁に語っていたし、彼が抱える歌心と創意と野心はぞんぶんに受け取ることができたはずだ。
▶︎過去の、福盛 進也
http://43142.diarynote.jp/201801081118162617/
https://43142.diarynote.jp/201804081516393408/
https://43142.diarynote.jp/201804081516393408/
https://43142.diarynote.jp/201906151238565701/
https://43142.diarynote.jp/201912191314476679/
▶︎過去の、佐藤浩一
http://43142.diarynote.jp/201410251055118180/
http://43142.diarynote.jp/201607121045394372/
http://43142.diarynote.jp/201711020707155260/
http://43142.diarynote.jp/201801081118162617/
https://43142.diarynote.jp/201804081516393408/
https://43142.diarynote.jp/201806060708363548/
https://43142.diarynote.jp/201910311450514339/
https://43142.diarynote.jp/202008171907569224/
https://43142.diarynote.jp/202107310742529881/
https://43142.diarynote.jp/202111071551287545/
▶︎過去の、市野元彦
http://43142.diarynote.jp/201410251055118180/
https://43142.diarynote.jp/201607121045394372/
▶︎過去の、吉野弘志
https://43142.diarynote.jp/201907261128521107/
▶︎過去の、吉田篤貴
https://43142.diarynote.jp/201611111651363466/
https://43142.diarynote.jp/201909291507533777/
https://43142.diarynote.jp/202109200901226322/
<今日の、会場>
1日1ショウであったため、場内は盛況。女性客も多かったかな。昨年から席の向かい合わせ配置をやめていたところ(=かなり間引きした席配置となる)、この晩は通常配置なり。お客が向かい合うテーブルには透明板が中央に置かれていたものの、なんか日常が戻ってきたと思わせられた? いや、そう思ったのはお酒をちゃんと注文できて、グビグビ飲みながらショウを楽しめたことだな。うれしい。帰り道のアフターのバーでは普段はあまり頼まないお酒を頼み、店主から驚かれる。それは、ライヴで受けた感興と無関係ではないだろう。
佐藤の『Embryo』はDisc1“Water”がソロ・ピアノ作で、Disc2“Breath”はチェロやエレクトリック・ギターとのデュオから弦カルテット入りのものまで大小の協調曲で構成されている。その両方を見せましょうというこのショウは佐藤にくわえ、電気ギターの市野元彦 (2014年10月22日、2016年7月11日)、ダブル・ベースの吉野弘志 ( 2019年7月25日)、ドラムの福盛進也 (ds) 、チェロのロビン・デュプイ、ヴァイオリンの伊藤彩と梶谷裕子、ヴィオラの吉田篤貴 (2016年11月10日、 2019年9月27日、2021年9月19日)がステージにあがる。みんな、カジュアルな格好をしている。
デュプイとのデュオで始まり、前半は基本ギター、ベース、ドラムという陣容で演奏し、途中に入ると悠然とソロ・ピアノを3曲披露し(ピアノ美意識、あふれる。もう1曲聞きたかった)、後半は弦楽四重奏も入ったフルの陣容で、生理的にとても贅沢な演奏を聞かせる。それらに接すると、参加ミュージシャンの楽器音をうまく使っているとも頷かされよう。そして、この日初めて佐藤に触れる人だと、一体この人はどういう音楽遍歴を経てこういう静的ながらいろいろな含みや衝動を孕む表現を作るようになったのかと狐につままれる感覚を得るかもしれない。
まずは自分の中にあるメロディやストーリーを十全に拾い上げ、それをソロという最小単位から8人によるものまで自在に、繊細に、優美に広げていく。水面下にいる悪魔がペロリと舌を出した感覚は実演のほうが透けて見えるか。なんにせよ、ジャズのあり方や考え方が変わってきていて、今日多様な表情を見せるようになっていると紛れもない事実をそれらはおおいに伝える。
佐藤は慎ましやかに、MCは言葉少な。あれ、インタヴューするともっと喋るんだけどな。でも、語らずとも音楽で彼は雄弁に語っていたし、彼が抱える歌心と創意と野心はぞんぶんに受け取ることができたはずだ。
▶︎過去の、福盛 進也
http://43142.diarynote.jp/201801081118162617/
https://43142.diarynote.jp/201804081516393408/
https://43142.diarynote.jp/201804081516393408/
https://43142.diarynote.jp/201906151238565701/
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▶︎過去の、佐藤浩一
http://43142.diarynote.jp/201410251055118180/
http://43142.diarynote.jp/201607121045394372/
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https://43142.diarynote.jp/201806060708363548/
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https://43142.diarynote.jp/202008171907569224/
https://43142.diarynote.jp/202107310742529881/
https://43142.diarynote.jp/202111071551287545/
▶︎過去の、市野元彦
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▶︎過去の、吉野弘志
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▶︎過去の、吉田篤貴
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https://43142.diarynote.jp/202109200901226322/
<今日の、会場>
1日1ショウであったため、場内は盛況。女性客も多かったかな。昨年から席の向かい合わせ配置をやめていたところ(=かなり間引きした席配置となる)、この晩は通常配置なり。お客が向かい合うテーブルには透明板が中央に置かれていたものの、なんか日常が戻ってきたと思わせられた? いや、そう思ったのはお酒をちゃんと注文できて、グビグビ飲みながらショウを楽しめたことだな。うれしい。帰り道のアフターのバーでは普段はあまり頼まないお酒を頼み、店主から驚かれる。それは、ライヴで受けた感興と無関係ではないだろう。
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